内容説明
秘儀性の色濃い「隠し念仏」と呼ばれる信仰が東北地方に根を下ろしている。権力による弾圧から身を隠し、今もなお守り続ける秘密の信仰とは?
目次
第1章 隠し念仏とカクレ信仰
第2章 東北の隠し念仏・御内法の信仰(隠し念仏の研究動向;隠し念仏の起源;山崎杢左衛門の殉教;隠し念仏の展開と取締り;隠し念仏の組織・分布;隠し念仏の教義と教典;隠し念仏の儀式・行事)
第3章 隠し念仏のオトリアゲ(オトリアゲの記憶;オトリアゲの実例;渋谷地派のオモトヅケとオトリアゲ;上幅派のオトリアゲ)
第4章 隠し念仏と固有信仰(隠し念仏と伝統的習俗;隠し念仏篤信地域の民俗;隠し念仏と固有信仰)
感想・レビュー
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moonanddai
7
岩手県や宮城県北部、南部青森県などに、今でも残る隠し念仏。真言の秘密念仏と真宗念仏が習合したものとも言われ、浄土系であるが、弥陀に往生を願うのではなく、善知識などと呼ばれる人間を通して即身成仏が決定するという儀式を伴うことなどから、異端(異安心)として排斥される。江戸時代に殉教者が出たところから、もともと「カクレ」信仰であったが、能動的な「カクシ」となっていると…。篤信地域では伝統的習俗も「雑修、雑行」として、あまり行われていないと…。個人的に遠い地域の話でないが、このような信仰があるとは知らなかった…。2020/06/16