出版社内容情報
二通り以上の解釈ができて意味が一つに決まらない「あいまい語」。指すところが漠然としていて解釈に幅ができてしまう「ぼんやり語」。日本人の特性を象徴する「あいまい」「ぼんやり」を正確・的確に伝えるにはどうすればよいか。
コミュニケーションとことばを考える楽しい辞典。
内容説明
「ある意味」「大体 およそ」「ちょっと」「ヤバい」誤解なく、スッキリ伝えるには、どうすればいいの?あえてハッキリ言わない、日本語特有の文化・奥深さも知る!!意味や用法に幅があり、注意が必要な表現100語を収録!!
目次
ああ―その意味は、長さと高さに託される
青―灰色でも緑でも「青」
ある意味 ある意味で―どんな意味やねん?
ある程度―「ある程度」は実は「そこそこの水準」?
いいよ いいですよ―正反対の意味に
遺憾―自分を守る常套句
行けたら行く―期待はどれくらい?
いけない―コンサートには行けない?行ってはいけない?行くのはいけないこと?
いらっしゃる―「行く」「来る」「居る」が全部一緒?
うそをつけ―え?本当にうそをつくよう命令している?〔ほか〕
著者等紹介
森山卓郎[モリヤマタクロウ]
1960(昭和35)年京都生。早稲田大学文学学術院教授・京都教育大学名誉教授。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程国文学専攻修了(学術博士)。国語教科書編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中玉ケビン砂糖
55
急の電話。用件を書き留めなければならず「書くもの書くもの!」と近くの人に声をかけたものの、『それは紙なのかペンなのか』という周りの困惑を察し、一瞬ではあるがそうしたサスペンスに気まずい思い。好例ではないが、かように「身近」どころか自分の足下ぐらいまでどっぷりと、日本語は「曖昧」「ぼんやり」の見本市なのである。冒頭で「本書はコミュニケーションの交通事故を防ぐための安全教本」とあり、内容としては日本語上級レベルの人のためのテキストとして使用することを念頭に置いている感もある。しかし平凡な日本人からしても2022/09/23
たかこ
50
もともと「あわい(淡い)やうつろい」が好きで、白黒はっきりしないグレーな部分の許容量が大きい方なんだけど、いかにひとつの言葉をテキトーに使っているか、分析されたものをみて頷くことが多かった。でも、そういうはっきりしないところが日本語のいいところでもあると思う。「行けたら行く」の期待値は人によって違うし、「結構です」は全く相容れない二つの意味がある、コミュニケーションをとりながら精度をあげていくと正解に近づくのかも。逆に「今度の土曜に飲もうよ~」だけで何を飲むのかわかっちゃうところとかすごいよね。2023/10/26
M
27
1年おき、は、隔年って分かるのに、 5年おき、になると4年あくのか5年あくのか分からなくなるの不思議よね。。2024/11/02
タルシル📖ヨムノスキー
26
職場でも外国籍のスタッフを見かけるようになりました。ここで問題になるのがやっぱりコミュニケーション。さすがに大体の日本語は通じるけれど、微妙で抽象的な日本語独特の表現はやっぱり通じにくい。この本はそんな日本語の曖昧表現を約100語集めて解説。一応辞書とあるので気になった項目だけ拾い読みしてもいいのだけれど、読み始めたら面白くて一気に全部読んでしまいました。読みながら自分も曖昧な言葉で駄文を書いてるなぁと。せっかくなので手元に置いて折に触れてこの本を開こうかと。そういえば「折に触れて」は載ってなかったなぁ。2024/02/12
おはぎ
8
読み進めていくうちに、各項目の最後の1文が楽しみになった。洒落が利いている文が多い。あとがきも素敵で、心に残った。2024/02/05