内容説明
物語に紡がれた様々な人間模様や、日本各地を縦断した興亡の舞台を、より深く、適確に味わうための知識を満載。「平家物語」を読むための宝典。
目次
第1章 「平家物語」系図・あらすじ・名文抄(平家物語関係系図;あらすじ ほか)
第2章 平家物語作中人物(後鳥羽天皇;平清経 ほか)
第3章 諸記録・日記に描かれた平家物語作中人物(安徳天皇;祇王 ほか)
第4章 平家物語作中人物論評(主要作中人物;副次的作中人物)
著者等紹介
西沢正史[ニシザワマサシ]
東京に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。弘前大学・昭和女子大学などの助教授・教授を歴任。専攻、中古文学・中世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アトラス書房
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『平家物語』の作者は、少年安徳天皇の入水を、美しくも哀切な文章で描き、深い哀悼の気持ちを込めている。びんずらのいたいけな少年帝の死は、平家物語作者をはじめとする多くの人々の哀惜の思いを深々と喚起したにちがいない。そうした人々の安徳天皇への哀惜と鎮魂への思いは、各地に安徳天皇生存伝説や怨霊伝説を生み出してゆく。怨霊化した天皇に鎮魂の意味を込めて、諡号に「徳」の字を用いることはよく知られている。安徳天皇には8歳の少年帝であっただけに多くの人々の哀惜の詩情が捧げられているといえよう。2023/10/28