出版社内容情報
筝と琴の違いは?筝と筝曲の基礎知識を筝の伝来と発展、平安時代から現代にかけての筝曲の歴史をたどりながら、丁寧に解説する。
内容説明
日本人は箏にどのような思いを託してきたのか。奈良時代に中国から伝来してから現在まで1300年もの間、すたれることなく多くの日本人に愛され続けてきた楽器「箏」と、宮廷箏曲・筑紫箏曲・当道箏曲など、箏の音楽「箏曲」の魅力について、豊富な図版資料とともにわかりやすく説き明かす。
目次
プロローグ(箏とは?箏曲とは?;箏の伝来)
第1部 箏曲(宮廷箏曲;筑紫箏曲;当道箏曲)
第2部 箏(箏の変遷;現行箏の構造と製作;箏の装飾デザイン;箏のニックネーム;箏の名器;江戸時代の箏職人)
著者等紹介
宮崎まゆみ[ミヤザキマユミ]
1946年東京生まれ。武蔵野音楽大学大学院修士課程音楽学学科(日本音楽史専攻)修了。現在、宮崎大学教育文化学部教授。博士(音楽学、東京芸術大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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れみ
72
箏(こと)と箏曲(そうきょく)の歴史や逸話、音楽理論などについてまとめた本。主にお箏の調弦や箏曲やその作曲者についての調べ物のために手に取ったけど、それはそれとして、一言で箏曲といっても宮廷箏曲(公家)、筑紫箏曲(武家)、当道箏曲(庶民)と時代を経て新たなものが生まれてきたところや、高倉天皇の寵愛を受け平清盛の怒りを買った小督局の悲劇とか、徳川秀忠が娘・和子の嫁入り道具として作った名箏「山下水」のたどった数奇な運命とか、興味をそそられる内容がいっぱいだった。2017/03/31
ひろぶー
1
箏は音の万華鏡2018/10/24
mmaki
1
箏を習いたくてその下調べのため軽く目を通すつもりで借りた本だけど思いのほかおもしろい!「辞典」というより、箏や琴に纏わる日本史/文化史のようだ。へーー!そうなんだ!と目から鱗の事柄がたくさん。歴史好きにはたまらない一冊。2015/09/13
tnk
0
地歌箏曲史ではなく箏曲史の本。 そのため、宮廷箏曲、筑紫箏曲、明治新曲の解説が詳しい。少なくともこれらの分野については、第一の入門書であろう。(もちろん、地歌箏曲史もきちんと触れられている。)2017/08/12
読書記録(2018/10~)
0
奈良時代に唐から日本に伝来した後の「筝」について主に扱う(日本にも「コト」「和琴」は存在した)。宮廷筝曲・筑紫筝曲・当道筝曲(現代の筝曲は、筑紫から枝分かれした当道がほとんど)と、楽器としての筝について。中国の話も知りたかったが、メインは当道筝曲の解説。最も面白かったのは、宮廷筝曲の名手たち。斎宮女御、安芸局、若御前、夕霧、小督局、そして藤原師長。室町になると、四辻家が筝の家となり、江戸に入ると武家との結びつきを強め、雅楽全体を支配するようになった。2021/12/31