内容説明
イギリスのジャーナリストが18ヶ月の取材をもとに書きあげたこの本は、ローレンツの人となり、動物行動学の成果の数々をやさしく解説しながら、我々に「人間」とは何かを改めてみつめ直す数々の話題を与えてくれる。本書に収められた数葉の写真に、読者はローレンツがガチョウとたわむれている「平和でのどかな」風景を見ることができる。しかし動物行動学の父と言われ、ノーベル賞「生物」学者として知られる彼の人生には多くのドラマが秘められている。学問に新分野を切開き、ナチズム下で生物学者でもあったローレンツの生涯と人となりを18ヶ月にわたる取材をもとに描き出す。
目次
第1章 生活からのスケッチ
第2章 父と子
第3章 コクマルガラスの春とドナウの夏
第4章 ガンの歳月
第5章 容認と確立
第6章 私闘
第7章 東部戦線
第8章 2度目の春
第9章 科学的亡命
第10章 動物の託宣
第11章 攻撃
第12章 社会的人間の罪悪
第13章 包括的真実
第14章 帰郷
第15章 故郷の予言者