内容説明
伝説のシュルレアリスム革命の詩人=役者の壮絶な後半生を小説によって描いた全く新しいスタイルの伝記文学。
著者等紹介
鈴木創士[スズキソウシ]
1954年神戸生まれ。フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スミス市松
8
残酷演劇やオカルティズムに没頭していったアルトーだが、それは彼のなかに通奏低音のように流れる「身体」「痛み」に対するアプローチの帰結であるように思えた。だからこそ最晩年は真っ向とそれらに立ち向かったのではないか。本書はアルトーが精神病院に監禁されて壮絶な拷問を受け、WWⅡ後に解放されたのち『神の裁きと訣別するため』『ヴァン・ゴッホ』ら多くの作品を発表していくさまをノンフィクション・ノベル調に描いた作品。河出書房新社『神の裁きと訣別するため』とリンクするので、その前後に読めばアルトーへの理解が深まります。2011/01/12
ジャン
2
アルトーに対するアプローチとして正統的な伝記の手法をとりたくないと作者は考えたのだと思うが、文学になりきれないものを読むくらいなら、アルトーについての正統的な伝記を読みたかった。2022/10/15