創元コンテンポラリ
箱のなかのユダヤ人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 311p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488802097
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

大戦のあいだ、ぼくらは一人のユダヤ人を「箱」のなかに隠していた―。語り手のぼく、十三歳のニキが盲腸炎で苦しんでいたとき、手術を施してくれたのがこのユダヤ人医師だった。命の恩人。その彼が収容所行きを逃れ、今度はぼくらに助けを求めてきた。父は一大決心の末、納屋の屋根裏に「箱」を設える。ユダヤ人は雲のひとかけらも見ることができなくなった。この日から、ぼくと、ぼくの幼なじみの少女ジギが、彼と外界をむすぶ唯一のパイプ役となる。二年以上にわたる極限状態を、人はいかにして生き延びるか?オーストリアの山間の村で、数多の秘密と緊迫のドラマが交錯する。

著者等紹介

モラン,トマス[モラン,トマス][Moran,Thomas]
ニューヨーク在住の編集者。ジャーナリストとしては、ニューヨークの服飾産業におけるマフィア支配についてのシリーズを手がけ、ピュリッツァー賞にノミネートされた。『箱のなかのユダヤ人』が長編小説第一作。ブック・オブ・ザ・マンスリー・クラブの選定を受けるなど注目を集め、The World That I Made For Her(1998)、Water,Carry Me(2000)、What Harry Saw(2002)と続けて発表された長編では、それぞれの舞台設定は全く異なるものの、いずれも個人の力の及ばない、時代や社会に翻弄される人物を、静かながら圧倒的な筆力で描き出している

小林理子[コバヤシアヤコ]
翻訳家
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しろ

3
☆7 箱の中にかくまってもらうことになったユダヤ人や盲目の少女などの魅力的な登場人物がでてくるが,それだけに頼った面白さではなかった。主人公の男の子が世間を知って大人に成長していく様子がよく描かれていたし,閉鎖的な村の一体感や男女間の対立など独特な気風がひしひしと伝わってくる。主人公は特に性について学んでいくが,それがみな中学生くらいの年代であるから,妙に極端で焦りや興味が先走ってしまうのが初々しかった。それにしてもこの盲目のジギは魅力的で,まさに小説でしか味わえない可愛さとエロを持っている。2010/01/25

Borasisi

2
再読。ジギはわたしの読書歴の中でベスト3に入る可愛さ。 どうしてだろう、目覚めたばかりの性が、どんな過激なものより、一番えろく感じるのは。 閉鎖的な村でありながら閉塞感は感じさせない。それでいて少年少女の「世界」が丁寧に描かれている。 なんとなくシャマランの「ヴィレッジ」の雰囲気思い出すんだなー。 あまり有名じゃないけど、もっと評価されていい本だと思う。2009/09/08

Borasisi

2
だいだいだいだいだいすきな一冊。なんで有名じゃないのかわからん!!2006/06/07

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

1
箱の中にかくまってもらうことになったユダヤ人の話が中心というより、ユダヤ人と外界とのパイプ役となった少年の性への目覚め。いわば少年から青年への成長を描いた小説。★★★2008/11/25

1045

0
図書館でタイトルだけ見て戦場のピアニストみたいなのかなと思って借りた。自分はナチ時代のユダヤ人のことを大学で調べてたからその時代のあれが少し感じられたのがよかった。まあ、ホント少しで実際はそんなユダヤ人メインの話じゃなくてどちらかというと片田舎のイイ事ばかりじゃないせいしゅんモノの作品だった。せいしゅん、ここ重要。良くも悪くもすごい日常的な作品でそれなりに面白かったけど、どこがあれかっていうと特にない作品だった。あと先生を今放送してるゆゆ式の先生で想像して読んでたから、いっぱい信じてただけにすごい悲しい…2013/05/28

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