内容説明
マークは震えていた。冬の寒さのためじゃない。早朝の駅、目の前の改札口は乗客でごった返している。その改札がなぜか怖くて、通り抜けられないのだ。14か月前のあの事故のせいか。このキングズ・クロス線の列車から転落して、死にかけたのだ。ただ、いったいそのとき何があったのか、ぜんぜん憶えていない。そんなマークをよそに、乗客たちは改札に向かう。列車が自分たちをどこに連れていこうとしているのか、知りもせずに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たいへー
2
ちょっと期待しすぎたか。ロンドンのキングスクロス線で〝何か〟が起きている…。その路線を利用した乗客が過去に何人も精神を錯乱し、ある者は狂気にとらわれ、ある者は凄惨な殺人事件を起こしていた。1年前、乗車中の事故で大けがを負って療養中のマークも、事故の後遺症から列車を恐れるようになって、夜ごと奇怪な悪夢にうなされる。この路線は何かおかしい…。やがて、太古から続く超自然的なエネルギーの存在が判明し、狂気が人々を蝕んでいく。巧みな構成で読ませる佳品だけど、展開が少し地味な印象。もうひと盛り上がり欲しかった。2020/06/14
丰
0
Y-102001/02/21