創元ＳＦ文庫 軌道学園都市フロンテラ〈下〉

スロンチェフスキ，ジョーン【著】〈Ｓｌｏｎｃｚｅｗｓｋｉ，Ｊｏａｎ〉/金子 浩【訳】

東京創元社（2015/06発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 430p／高さ 15cm
• 商品コード 9784488756024
• NDC分類 933
• Cコード C0197

出版社内容情報

順調に始まった、宇宙コロニー内でのジェニーの学園生活。同じ生命科学ラボのパートナーやちょっと変わった同室者とも友達になれたし、恋人もできた。だが、一族が関わる大統領選挙が近づいてジェニーの身辺は慌ただしくなり、さらには閉鎖環境のはずのコロニーで、違法ダウンロードによるエボラ出血熱の発生や地球外生命体ウルトラファイトの侵入など、致命的な危機が発生。さらにはウルトラファイトの驚くべき秘密も……。

内容説明

軌道上ならではの予想を超えた事件の連続に驚きつつ、生命科学の研究や無重力スポーツを通じて友人もでき、充実した大学生活を送るジェニー。一方、フロンテラにとって致命的なケスラーデブリ問題の陰で、母星安全保障省が不可解な動きを見せる。そして、閉鎖環境であるはずのフロンテラ内部で、なぜか発見された地球外生命体―ジェニーの前で、その驚くべき正体が明らかに！？

著者等紹介

スロンチェフスキ，ジョーン［スロンチェフスキ，ジョーン］ ［Ｓｌｏｎｃｚｅｗｓｋｉ，Ｊｏａｎ］
１９５６年ニューヨーク州生まれ。分子生物物理学と生化学の博士号を持ち、８４年からオハイオ州のケニオン・カレッジで微生物学教授を務めている。８０年、大学院在学中に作家デビュー。第二長編Ａ　Ｄｏｏｒ　ｉｎｔｏ　Ｏｃｅａｎ（１９８６）で、女性として初のジョン・Ｗ・キャンベル記念賞を受賞。第七長編の『軌道学園都市フロンテラ』で、二回目の同賞受賞者となった

金子浩［カネコヒロシ］
１９５８年生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[qoop]

HIVや炭疽菌の脅威を好転させるなど、現代の技術が順当に革新したらこうなるのかもと思わせる設定。と同時に、学園生活と政争に着目することで、解消し得ない人間の幼さ、愚かさをうまくクローズアップしている。情緒障害や遺伝子疾患の扱いにも説得力がある。ただそのぶん人物造形などが未来シュミレーションの枠内から抜けておらず、肝心の地球外生命体の謎も予想の範囲内に収まってしまった感が。まとまりはあるもののSF的飛躍のカタルシスは味わえなかった。

2016/06/05

[BECHA☆]

刺激的な選択科目の履修、不可思議なルームメイト、EMS(救急隊)活動、スランボール(無重力スポーツ)、大統領選挙に町長選挙、年頃の大学生らしく恋その他と多忙を極めるジェニー。しかし安全に隔離され運用されているはずのフロンテラの危うい現実は目前に迫っていた。

2015/08/14

[sezmar]

友人、家族、親戚、学校関係者に世界観が独特で頭がいっぱいになると思ったら地球外生命体も絡んでくる欲張り小説。登場人物説明を片手に読み進めたが、結論は授業中心で話をまとめ友人関係より大統領選を重視、ウルトラは最後まで流して読めば読みやすい気がする、なんとなく。

2015/07/07

[だちょう]

アメリカのドラマが好きな人とかには楽しいのかも。生物学ＳＦ要素と近未来のネットワークシステムに加えて、アメリカの大学におけるカレッジライフ（そしてそこにおける学生クラブのトラブルや性暴力被害の問題）、アメリカの政治的問題（選挙のシステムやセレブが顔を出してくる話など）、キリスト教原理主義の問題まで詰め込まれると、アメリカ文化に明るくない人間としてはきつかったです。

2016/04/25

[たかみ]

詰め込み過ぎで長過ぎ。本当に本国では学園を舞台としたオフビートのコメディとして評価されているのであれば、たぶん訳文が失敗している。

2015/12/31