内容説明
満ち足りた生活を送っていたリックは、ある日異様な感覚に襲われた。妻が危ない!たどりついた先には無惨にひしゃげた妻の車。だが気がつくと妻は無事で、なぜか事故に遭ったのは自分自身になっていた。しかも自分ではない別の意識と同居しているではないか。なぜこの世界に紛れこんだのか。もとの自分に戻れるのか。異色作家がディック的悪夢世界に論理的構成で挑んだ野心作。
著者等紹介
渡辺庸子[ワタナベヨウコ]
法政大学(通信課程)日本文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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GaGa
41
ディック的悪夢世界と謳うには、仕掛けも、キャラ立ても、破綻度合いも全然足らず、むしろ初期の頃のディッシュ作品をより合理的にリメイクした感じ。まあ、この手の作品になれていない人でも読みやすそうで、いいとは思うけど。感想としてはそんなものか(笑)2012/06/20
けいちゃっぷ
5
うーん。なによりも主人公がジコチューを通り越してゴーマンとしか思えなくて、読むのが苦痛だった。どこかに楽天主義という記述があったような気がしたが、それにしては妻の浮気にオタオタしたりして一貫性がないぞ。平行世界?それがどうした。336ページ2010/09/11
春風
5
軽めのノリのSF風味サスペンス。論理的でもないしディックにも似ていない。2010/02/24
Ai
3
意識がパラレルワールドに飛んであてふたしつつも、次第に量子的な遠大な視野を持ち始めるのにゾクゾクした。2018/09/03
猫のゆり
3
QFもそうだったけど、平行世界ものってタイムトラベル必至なのか。最後はなんだか腑に落ちなかったけど、途中まではすごく面白かった。2010/02/21