出版社内容情報
キム・スタンリー・ロビンスン[キムスタンリーロビンスン]
著・文・その他
大島豊[オオシマユタカ]
翻訳
内容説明
人類は火星への初の有人飛行を成功させ、その後、無人輸送船で夥しい機材を送り出した。そしてついに2026年、厳選された百人の科学者を乗せ、最初の火星植民船が船出する。果てしなく広がる赤い大地に、彼らは人の住む街を創りあげるのだ。そして大気と水を。惑星開発に向けて前人未到の闘いが始まる。NASAの最新情報に基づく最高にリアルな火星SF。A・C・クラークが激賞!ネビュラ賞/英国SF協会賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
34
24
本書は100人の科学者が火星に行って、それぞれの専門的な知識や技術を活かして火星を植民地化してゆくという小説なのだが、その過程がちょっとないくらいリアルに描かれている。その意味で非常にハードなSF小説なのだが、それと同時に、閉鎖的な環境がもたらす緊張感や、新しい地で新しい生活をはじめるという新世界的な高揚感もあって、滅多にないタイプの政治小説としても読むことができる(「おれたちが改造するのは火星だけじゃない、おれたち自身なんだ」)。今後の展開に期待。2017/05/24
アルビレオ@海峡の街
11
ちょうどNASAの火星探査車「パーシビアランス」が火星に着陸し、火星のリアルタイムな様子が送られてきたりして良いタイミングで読み始めたなと思う。本作はとにかく長く、細かい。まるでドキュメンタリーだ。これが著者のスタイルなのか?(多分そう!)惑星開発をメインに人間ドラマや政治的な駆け引きを織り交ぜながら、新興宗教や長命テクノロジーの開発など、かなりのボリュームがあり読者を飽きさせない。最初の100人が、何もないところから火星をどう開発していくのか。ロビンスン版火星年代記を楽しんでいきたい。2021/04/09
SINKEN
7
【総評】★★★★☆ 【感想】科学技術的な観点や舞台となる火星の描写など非常に緻密に描かれていて、フィクションでありながら圧倒的な現実感がある。登場人物は多いながらも、それぞれ個性的でクセのあるキャラばかりで、様々な思惑や野望を胸に対立したり協力し合ったり裏でコソコソしたりと、サスペンス的な要素も絡んで、前半だけもかなりのボリュームがあり、読むのに時間がかかった。色んな伏線が張られているので、下巻でどう回収されていくのかは楽しみ。実際に火星に移住するとなるとやっぱり大変だろうなぁ。。2017/08/23
ettyan えっちゃん
7
前半火星探検に向けての訓練はおもしろい。火星に着いてからは,西部開拓時代みたいなイメージ。その後,思想の争いが出てきてから,少し盛り上がるな。後半に続くが,急に不老処置が出てきて,SFらしいw 2017/06/09
kurupira
6
「火星の人たち」ってことか。。火星のリアルな描写に加えて人の葛藤が繊細に描かれていた。2017/06/17