内容説明
六万年前に人類を絶滅の危機に陥れた、恐るべき異種族ミザリ。奴らは今も銀河の一角で、人類種と遭遇するや抹殺せんと待ち構えている。ならば人類は宇宙の片隅でなりを潜めているしかないのか。宇宙機構防衛省長官はこの未だ見ぬ敵を前に、先制攻撃こそがわれわれの唯一の選択であると主張、究極の戦闘艦隊〈トライアッド〉の建造を提案する。人類の命運を賭けた決断の行方は?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sabosashi
8
もう三十年前の刊行、はじめはまだるっこしくてあくびが出たが、SFにしてこんなに人間くさいものがあるというのに驚き。宇宙なんてすごいこと言ってもたかが地球の拡大版にすぎないではないか、という思い。もうロマンのかけらもなく腹のさぐりあいを繰り返す。つまりそこでもいかに政治なるものが関わっているか。それも昨今の月をめぐる権益が先走っているようなのをみると、さもありなん。つまりは科学技術の発達はひとに何を与えたのかをあらためて考えてしまいそう。でもそれだからこそ人間って可愛いのか、なんて横滑りした思いも出てくる。2023/01/27
鐵太郎
5
人類が混乱の末に宇宙に進出して、異星人とのファースト・コンタクトを果たしてから600年経過したAR654年。地球よりおよそ半径50光年ほどの範囲に広がった人類領域は、地球といくつかの有力な植民世界、そしてその他の集合体に分かれていますが、その上位に立つ「統合」により一応の安定を得ています。遠い昔に接触した仮借なき敵、ミザリとの対決を避けて引きこもっていた人類は、その間に軍事力を高め、ついに彼らを圧倒できる超兵器トライアッドを開発したのでした。この物語は、それをめぐるお話です。2010/03/21
sabosashi
3
もう三十年前の刊行、はじめはまだるっこしくてあくびが出たが、SFにしてこんなに人間くさいものがあるというのに驚き。宇宙なんてすごいこと行ってもたかが地球の拡大版にすぎないではないか、という思い。もうロマンのかけらもなく腹のさぐりあいを繰り返す。つまりそこでもいかに政治なるものが関わっているか。それも昨今の月をめぐる権益が先走っているようなのをみると、さもありなん。つまりは科学技術の発達はひとに何を与えたのかをあらためて考えてしまいそう。でもそれだからこそ人間って可愛いのか、なんて横滑りした思いも出てくる。2023/01/27
マサトク
2
六万年前に遭遇し、人類を破滅の淵に追いやった異星人ミザリに対抗するための艦隊-兵器システムトライアッド。それをめぐる人々の権謀術数が描かれる。少なくとも上巻ではSF政治ドラマだな。面白いけれど、さぁいつドンパチやるんだ?と思ってしまう。2017/05/09