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創元SF文庫
異星人の郷〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 366p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488699024
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

現代のフィラデルフィアで、統計歴史学者のトムは、14世紀に忽然と消えた小村の謎を追っていた。同居する宇宙物理学者のシャロンは、光速変動理論を調べるうち、ひとつの宇宙論に到達した。二人の研究によって見出された真実とは。黒死病の影が忍び寄る中世の生活と、異なる文明を持つ者たちが相互に影響する日々を克明に描き、感動を呼ぶ重厚な傑作。ヒューゴー賞最終候補作。

著者等紹介

嶋田洋一[シマダヨウイチ]
1956年生まれ。静岡大学人文学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ntahima

55
上巻表紙にあった痩せ細ったミイラみたいな異星人の姿に比べ、下巻ではがっしりとした悪魔顔で描かれている。確か異星人には二系統あった筈なので、描き分けているのだろうか?もしくは実際の姿が上巻であり、村人には下巻表紙絵のように見えたのであろうか?メメント・モリ(死を忘れるな)!中世ヨーロッパで猛威をふるった黒死病が黒い森の中の小さな村にもゆっくりと忍び寄る。ひとつの共同体が静かに崩壊していく様が丁寧に描写されており、読みながら思わず息を殺す。巻末で現代パートと中世パートがやっと交わる。歴史宗教ハードSFの良書。2011/12/30

GaGa

39
14世紀のドイツが舞台の未知との遭遇。宗教がすべてともいえるこの土地でのファーストコンタクト&相互理解が丹念に綴られている。現代のシャロンが導き出す宇宙論は流石に力技だが、もとより銅線を所望するクレンク人(文明の成り立ちは地球人と近いのか?)などの描写もあるので、それはそれでよしか。終盤の黒死病の描写は見事。2011/03/20

よむヨム@book

38
★★★★☆ 星4つ この本は、SFの形を借りたディートリヒ神父の物語だ。 異星人の到来と交流やぺストの襲来により神を信じる神父の英雄譚として読んだ。 科学の知識や文化の違い、進化の違いがあるにも関わらず神父とハンスとの距離感が縮まってく描きかたも素晴らしかった。 「現在」のシャロンとトムの部分は物語の緩衝材の働きをしていたと思うので物語が読みやすく感じた。2022/03/02

翔亀

38
【コロナ14-2】(上巻の感想から続く)平凡な村の平凡な日常に、宇宙人が不時着する。SFの一大ジャンルのファーストコンタクトものなのだ。姿かたちも精神構造も地球人とは異なる宇宙人。しかしそのファーストコンタクトがなんとリアルに描かれていることか。ここでいうリアルとは中世の地球人の知識と精神構造にとって、宇宙人との遭遇は確かにそうなるだろうなという説得力だ。キリスト教神学(スコラ学)とユダヤ人排斥など偏見の塊の中世人と、好戦的で独善主義でしかし科学的には現代科学と同じ知識を有する宇宙人が、お互いの↓2020/05/30

キキハル

31
再定住されることなく名称も変更し遺棄された村。そこはひとつの墓標だった。物語がこういう展開を見せるとは思わなかった。洗礼を受け希望を見出しながらも、遠い故郷の星への帰還を夢見るクレンク人。だが次第に身体は弱っていく。そして村には黒死病が静かに忍び寄っていた。運命は人間にもクレンク人にも容赦なく残酷だ。最後まで自分のなすべきことに死力を尽くした神父を思うとたまらない。救いのない中世時代を癒すように、現代パートのラストは淡い希望の光がさしているかのようだった。読んでよかった。記憶に残る重厚な一冊だと思う。2011/02/22

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