内容説明
太陽系随一の頭脳の持ち主にして極めつきの変人、マッカンドルー博士。新たな法則、新たな発見を求め、自ら開発した画期的な航行システムの宇宙船に乗り、相棒の女船長ジーニーと共に、大宇宙を所狭しと飛び回る!巧妙に仕掛けられた罠をいかに打ち破るか、「影のダークマター」「新たなる保存則」ほか2編を収録。科学者シェフィールドの知識満載、本格ハードSFの決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kochi
18
物理学的対象は得意だが、その他の方面は相棒のジーニー船長に任せっきりのマッカンドルー教授が今回対峙しなければならないのは、人間と人間以外^_^。表題作は、まさにその面での物語で、ジーニーの機転で一度は危機を脱するが、再び見えた時に… シリーズがこれで終わりなのは惜しい。巻末の著者による科学解説が相変わらず興味深い。ペンローズのAI研究批判(1989)によると、人間の脳は量子論的に解釈しなければならず、今のコンピュータプログラムではAIを作ることができないという考えらしい。2016/12/04
宇宙猫
17
★★★ マッカンドルー2 面白いんだけど、科学解説を頑張って読んでも尻切れトンボで読んだ甲斐がないのが残念。亡くならなければ、それぞれの続きがあったのかな。2023/10/30
スターライト
7
『マッカンドルー航宙記』の続篇にして完結篇。表題作ほか全4短篇と著者による付録を収録。最初の2話は前巻でマッカンドルーの調査行に同行したアンナ・グリスが、命を救われたものの片腕を切断されたことを逆恨みし、マッカンドルーとその相棒ジーニー船長への意趣返し(というか命を狙う)ことが背景にある冒険譚。表題作は宇宙に旅立った〈方舟〉の一隻が自律的なAIを生み出し、マッカンドルーらが翻弄される。最終話の「母来たる」は天才物理学者も母親にかかっては子ども扱いされるユニークな場面も。ハードSFを敬遠する向きにもお薦め。2024/10/26
The-Q
4
ジーニーとマッカンドルーの冒険譚その2。一番おもしろかったのが作者自身がどのようにアイディアを形作ったかを語る付録の科学とサイエンスフィクション。アイディアはハードSF何だけど視点人物が科学者でないので科学的なところはさらっと流して物語を重視している感じがする。読みやすくていい。2017/01/15
siopop
2
3作目に登場していた、AIなのですがあまりに簡単に退場してしまったのですけど、もっとこの物語に深く関係して欲しかったです。 中々素敵なキャラに成長しそうだったのに、残念です。 巻末にこの作者さんシェフィールドさんは既にお亡くなりになってしまったと書かれてありました、と言う事はもうこのマッカンドルーシリーズが追加される事もないのですよね。残念です。 AIが成長し、太陽系に戻って来てくる。そんな物語の展開を楽しみにしていたのですけど、もうこれ以上の続きが読めないなんて!2015/12/10