内容説明
なんとか無事におんぼろ船を迎え入れたものの、続いてやってくる宇宙海賊に対して、非武装のステーションではなすすべもなかった。護るべき最優先は脳であり、もしシメオンが殻から取り出されるようなことになれば、ステーションの命ももはやそれまでだ。力でかなわないのなら頭をつかえとばかりに、スタッフは一丸となって海賊をあざむく作戦に出た。ステーションの明暗は。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瀧ながれ
18
いよいよ宇宙海賊がステーション・シメオンに侵入。美しく機能的なステーションとその住人への仕打ちは、正視に耐えない腹立たしいもので、対向する力の足りなさが辛いばかりです。ところでその海賊一族、黒光りする丈夫な肉体を誇り、病気に強く、生殖能力がハンパなくてどんどん殖えちゃう、ってそれゴ………、と思っていたら、ラストあたりでそのものズバリの罵り方をされてて、ちょっと笑いました。あのコミックの未来か?(そんなわけあるか・笑)シメオン、よくがんばった!2015/08/15
Masa
11
読了。面白かったのですが激しく納得できなかった1冊。なんか無理やりヘルヴァとヒュパティア登場させましたみたいですごく嫌だった。『旅立ちの船』のときはこんな風に感じなかったのだけどなぁ。過去2作と違い、本作はブレインとブローンの性別が逆。多分ブレインが好きになれなかったんだなぁ。登場人物もあれこれ多くてどうも中途半端な印象を持ちました(もっと個々人について知りたいのです)。エピローグは完全に余計。あれで続編とかあったらホント勘弁。次作に期待です。2019/10/30
まも
4
上巻が宇宙ステーションの日常だったのに対して、下巻は非日常、戦闘物に。べセル人を追ってきたコルナー人の極悪非道ぶりが徹底して書かれている。主要な登場人物まで凌辱されちゃったり・・・本書の中で”ヒロイズムは別の誰かが遠いところで思うことで、本人にとっては悲劇でしかない”と語られるように、現実的な展開や表現が多々ある。シャンナをめぐる三角関係の結末は予想外・・・シェルパーソンの限界の無念さをシオメンがアモスにむかって語るというのが泣けた。だけど、二人が結ばれたあとも何かにつけて邪魔をするシメオンが目に浮かぶw2011/08/17
よう
3
シャンナの恋がこう落ち着くとは、意外でした・・・そしてエピローグの先が気になる。いつもこのシリーズは「責任ある仕事で自己実現&パートナーとの良い関係」というハーレクイン的欲張り女子の夢を感じてニヤリとするんだけど、今回は、合作者の個性か、あまり女子力を感じないハリウッドスペクタクルな活劇風味でした。面白かった!2010/06/06
佐藤司
1
相変わらず面白い、が、バリエーションの拡大に伴って「殻人」という設定がいかに扱いが難しいかが浮き彫りにもなる。元祖「歌う船」は短編集なのでまとまっているが、長編になると果たして「殻人」という設定が必要不可欠なものなのかどうかもやもやが頭を離れなくなる。実際シメオンは良くできたAIでも成立するんじゃない?この話。2015/06/17
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