出版社内容情報
時は夏。そしてピリは二度目の幼年期を迎えていた――冥王星での長い夏休みと少年期からの再卒業を鮮やかに描く表題作など、６編を収録。謎の超越知性により地球を追放された人類が、水星から冥王星にいたる太陽系各地の〈八世界〉で新たな文明を築いた未来を舞台に、性別変更や身体改変、記憶の保存や移植すら自由な世界で生きる人々を軽やかに描く。天才作家ヴァーリイの代表作〈八世界〉シリーズ全短編集、待望の第２弾。
内容説明
時は夏。そしてピリは二度目の幼年期を迎えていた―少年少女が過ごす冥王星での“夏休み”の終わりを描く表題作をはじめ６編を収録。舞台となるのは、地球を追放された人類が太陽系各地に進出して新たな文明を築いた未来。性別変更や身体改造、記憶の移植とコピーすら自由な世界で生きる人々を鮮やかに描く天才作家ヴァーリイの代表作“八世界”シリーズ、世界初の全短編集。
著者等紹介
ヴァーリイ，ジョン［ヴァーリイ，ジョン］ ［Ｖａｒｌｅｙ，Ｊｏｈｎ］
１９４７年テキサス州オースティン生まれ。７４年に短編「ピクニック・オン・ニアサイド」で作家デビューし、たちまち高い評価と人気を獲得した。これまでにヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞のトリプルクラウン２作、ヒューゴー賞とローカス賞のダブルクラウン１作、ほかにローカス賞７作（うち短編集部門４作）という受賞歴を持つ（日本の星雲賞も２回受賞）、７０‐８０年代を代表するアメリカＳＦ作家の一人である（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ざるこ
51
八世界の６篇。全短編１と同じく地球を外から見てる感覚が好き。人類は宇宙にしか存在してないから当然だけど。今回も進化した人の内面が描かれた作品が多い。手軽に性転換できる時代だけど、やはりその始まりには困惑や拒絶が入り混じる。そんな夫婦や家族の心理描写が細かくて鮮やか。喋るブラックホール、人と一体化する植物、時差により起こりえる経済戦争など膨大な八世界を人目線で緻密に表現されていてどっぷり浸れる。解説に収められた短編の年表が素晴らしい。改めて遠い未来がどのように変化していくのかと空想が止まらない。2020/07/19
かわうそ
35
八世界全短編の第２巻。発表年代順に並んでいるためか第１巻より苦い味わいが強めの落ち着いた印象。「全短編」とかいうから著者は既に亡くなっているのかと思いきや全然そんなことはなくシリーズに連なる長編も執筆中とのことで今後も楽しみです。2016/04/10
りー
33
積んでいたSF消化月間。ひとひねりされているとは言え、結構ガチムチな本格SFの集まりなので、宇宙船バーンとか相対性理論でドーンとかそういうのが苦手な僕にとっては読み通すのがちょっと辛かった。しかし一編ずつ見てみればそこはひねりが効いているのでなかなかに面白く、ハズレのない短編集になっていると思う。何にせよ、八世界シリーズは短編をたくさん読んで、ヴァーリィの中にあった世界を楽しむのがミソなので、シリーズ1作目とともに欠かせない一冊ではある。2017/01/04
Small World
30
ヴァーリイの『八世界シリーズ』の短編集②を読了しました。ヴァーリイの描く八世界は、地球以外の環境に適応するため、様々に変化した人間たちが、どのように思考し、行動するのか、また、どのような社会や文化を形成したのか、読む側の想像の斜め上の世界観を見せてくれて、とても楽しいです。次は、残るシリーズ長編「へび使い座ホットライン」に進んでいきたいと思います。2018/05/07
ふりや
22
「八世界」シリーズの第2巻。地球が侵略者に占拠され、人類が月を初めとした各惑星で文明を築き生活していく様子を描いています。どの作品もSF的なアイデアが素晴らしいですが、あくまで人間関係に重点を置いて描かれているのが良いです。特に好きだったのは、身体改造の技術により２度目の幼年期を楽しむ老人の驚くべき秘密や、冥王星の情景描写が美しい表題作の『さようなら、ロビンソン・クルーソー』気軽な性転換「変身」の技術が開発された時代の男女の夫婦の関係や家族の絆を描いた『選択の自由』あたり。長編も読んでみようと思います。2020/10/18
