内容説明
アヴァロンは美しい世界だった。人類の進出を脅かすものなど何も存在しないように見えた。人類初の惑星植民団は、キャロメットと名づけた島を拠点に生活を始めるが…。ある日突然、コロニーの動物たちが次々と惨殺され始めた。ちらつく未知の生物の影。そしてある夜、ついにコロニーを恐怖が襲った!ベストセラー・メーカーが贈る待望の最新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bookkeeper
28
★★★★☆ 再読。敵性生物のいない、のどか過ぎる生態系のアヴァロンは理想的な殖民惑星。冷凍睡眠の後遺症で脳障害が低確率で起きる以外は、暗い影一つないはずだった…開拓村が急襲されるまでは…。 超高速で駆ける、大型のトカゲかサンショウウオのような生物は突如現れて、あっという間に十数人を屠るのだった。地球への帰還もできず、アヴァロンに縛られた開拓民は生き残れるのか。上巻中盤の、阿鼻叫喚の襲撃場面以降はイッキ読み必至の傑作SF。猛スピードで下巻へ行くぞー! 「くそったれ、あいつはめちゃくちゃ速いぞ」2019/09/10
鐵太郎
4
主人公は、キャドマン・ウェイランド。国連平和維持軍退役大佐。40代なかば。安全というか、保安意識が高く、普通の人から見ると被害妄想なほどに防衛施設の維持管理や安全規定にこだわる。逆に言えば、物語の最初の段階では、それが彼の存在理由であるかのような書き方をされていますね。彼が実は正しかった、この世界には恐ろしい化け物がいたのである、というのがこの話。ふむ。2009/02/24
aki
3
ニーヴンはアイデアはすばらしいが、ストーリーテリングに難がある。その点をパーネルが補っており、このコンビの作品は、いずれも水準以上の出来に仕上がっている。哲学性・思想性はないよ。上巻はホラー小説みたい。さる惑星(アヴァロン)にやってきた植民者たちを襲う姿なき敵。はたして、その正体は? 的な感じ。ネタバレになってしまうが、敵のモチーフになったのは『ベイオウルフ』に登場するグレンデルでしょうな。上巻もフロースガール王の城へしのびこみ、一人ずつ屠っていく『ベイオウルフ』のストーリーをなぞっているし。2006/04/25
ねんこさん
3
実はシリーズ物と知らずに続編の方を先に読んでしまってて、物語のネタはもう判っちゃってるんだけど、続編の方のラストで唖然としてしまったある事に関しては、こちらを読んだ事である程度納得。グレンデルもとからある程度の知能と感情があったんだねえ。2013/05/31
やぶやぶ
1
★4