内容説明
黄金の時代を謳歌するアルビオンの女王グローリアーナ。国民と貴族にあまねく慕われ、この世の女神とうたわれながらも、心満たされることのない孤高の女。だが彼女に婚姻を求める他国との軋轢は、やがて宮廷に不穏な影を落としはじめる。エリザベス朝を彷彿とさせる架空のロンドンを舞台に放つ、英国幻想文学界の巨匠の代表作たる歴史ファンタシイ超大作。世界幻想文学大賞受賞。
著者等紹介
大滝啓裕[オオタキケイスケ]
1952年、大阪市生まれ。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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小太郎
36
数ある積読本の中でもその厚さに腰が引けていたこの一冊。ようやく読みました。マイケル・ムアコックはその絢爛たる世界観と独特の語り口で好きな作家ではあるんですが、中々読み辛いのも事実。このグローリアーナは世界幻想文学大賞も受賞していたので購入→積読(なんと20年も 笑)主人公はアルビオン(間違いなくビクトリア期のイギリス)王国の女王グローリアーナ、彼女を軸にした煌びやかな宮廷絵巻。これは後書きにも書いてあるけどスペンサーの「妖精の女王」の影響が大。でもこんな読書感は近頃の小説では味わえないものでした。2023/01/18
duzzmundo
9
世界幻想文学大賞作の歴史ファンタジー。とにかく登場人物が多くて大変でしたが、全35章を半年くらいかけてゆっくり読みました。孤高の王女グローリアーナが統治する宮廷、様々な人間模様、目論見や裏切りが入れ乱れて歴史を紡いでいく感じです。なかなかおもしろかった。力量のある作家だなあという印象。この著者はほかにも積んでいるので、またいずれ読む予定。2019/10/02
isfahan
6
エルリック・サーガと訳者が違うのだが、ほぼ読感が統一されるくらいの感じで、これがムアコックの文章力なのかと思う。絢爛豪華で退廃的な宮廷劇。取り戻される人間性と、君主という公人との調和。私は大傑作だと思います。2021/06/18
topo
6
冒頭から奔流のごとく溢れる綺語の波に圧倒され孤高の女王グローリアーナが統治する世界にのめりこむ。壁の中のもう一つの世界、渦巻く陰謀から目が離せない。 エリザベス朝を彷彿とさせる架空のロンドンが舞台の歴史ファンタジー。 マーヴィン・ピークのゴーメンガースト三部作に捧げた作品ということで本作を手にしたけど、城や人物の仔細な描写などゴーメンガースト城を想起しゴーメンガースト城を再訪したくなった。 33名に及ぶ巻頭の登場人物紹介も圧巻。こんなクラス単位の登場人物紹介見たの初めて!2021/03/29
ヴィオラ
6
マーヴィン・ピークに捧げられ、ゴーメンガースト城を思わせるグローリアーナの住む宮殿を舞台に描かれる「もうひとつの」ロンドンの物語。個人的には好きなポイントがてんこ盛り(^_^)いったいいつの間に…と思うくらいに、ムアコックの作家としての凄みみたいな物を感じました。エターナル・チャンピオンだけじゃなく、こういうムアコック作品ももっと翻訳がされるといいな。2011/12/04
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