創元SF文庫
眠れる人の島

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  • サイズ 文庫判/ページ数 405p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488637040
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

奇想SF短編の名手ハミルトンの傑作短編集、幻想怪奇編。楽園のような孤島に漂着した男が出会った一人の美少女。彼女は、この島のすべてが“眠れる人”の見ている夢だという…驚愕の表題作をはじめ、太古の神殿を発掘中の一隊を襲った幻想的な事件を描く「蛇の女神」、見つめることで相手を病気にし殺すことさえできる力を持つ一族との闘い「邪眼の家」など5編を精選して収録。

著者等紹介

中村融[ナカムラトオル]
1960年生まれ。中央大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

38
『フェッセンデンの宇宙』が印象的なハミルトンの幻想ファンタジー。『神々の黄昏』は北欧神話がベースになっていますがロキがオーディンを倒そうとして使おうとした死の炎は放射能のメタファー。『邪眼の家』は先祖のために子孫が迫害されたり、邪眼の契約を解約しようとしたら村人が襲撃をかけてきたりする理不尽さが印象的でした。せめて力のなくなったローズ達が受け入れられればいいのだけど、少し、不安なラストです。『生命の湖』はアウトロー達のドンパチ振りと異邦の民の狂信や攻防が強いインパクトを放っています。2013/10/09

紫伊

19
短編集。目新しい展開や驚愕の事実はないのだけれど、きらきらした美しい情景やミステリアスな美女、そして読み終わった後の余韻が良い。とても静かに余韻が残ってるイメージを受けました。主人公たちはきっとこれから心の奥底にあまくひんやりしたものを抱えて生きていくのだなと思います。2018/09/30

ニミッツクラス

14
05年の税抜980円の初版を読んだ。同年に先発した姉妹刊「反対進化」のSF傑作集に対して、本書は幻想奇譚傑作集となる。日本オリジナル選集で編者は中村氏。巻頭作や「生命の湖」を読んでいてメリットみたいって思っていたら、中村氏の解説にも同じ事が書いてあった。よって、本書は冒険活劇譚、奇譚などの作品群だから、Cフューチャー系のスペオペやフェッセンデン系の純粋SFを期待してはいけない。「生命の湖」は170頁の中編で、描写はヴェルヌちっくながら、主人公と紅ニ点の一人、ヤラの絡みがゾンザイなのが惜しい。★★★★☆☆2019/02/20

鐵太郎

9
エドモンド・ハミルトンの日本オリジナル短編集、幻想怪奇編です。あとがきにありますが、ハミルトンの出発点は幻想怪奇小説であり、デビュー作もそれであったとのこと。このジャンルでも、優れた作品をたくさん出しており、その中の世に知られない秀作をまとめたのがこの短編集だそうです。5編の収録作のうち2編が本邦初訳だそうな。2006/03/08

けいちゃっぷ

8
アフリカ奥地の「生命の湖」に、ある使命を帯びて向かう6人(白人に限る)。アフリカンの勇士たちが襲ってくるが、彼らはまるで動物でも蹴散らすように銃で撃ちまくり大量虐殺。でもそんなことはちいとも気にかけない。当時の風潮がそうなんだろうけど、なんだかなあ。アフリカンがインディアンでも異星人でも同じでしょうね。我らの「正義」に邪魔をする現地人は問答無用で殺すのみなんですね。同じ邪魔をする相手でも白人となると扱いは別。異世界ファンタジーはこんなんばっかじゃねーか、という私の偏見は強まるばかり・・・。2009/03/20

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