創元ＳＦ文庫 武器製造業者 （新版）

ヴォークト，Ａ．Ｅ．ヴァン【著】〈Ｖｏｇｔ，Ａ．Ｅ．ｖａｎ〉/沼沢 洽治【訳】

東京創元社（2016/12発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 329p／高さ 15cm
• 商品コード 9784488609160
• NDC分類 933
• Cコード C0197

出版社内容情報

『イシャーの武器店』から7年後。地球唯一の不死人ヘドロックは帝国軍大尉としてイシャー宮廷に潜入していた。イシャー帝国と〈武器店〉の緊張緩和をめざすというのが、〈武器店〉への彼の説明だったが、イネルダ女帝は突然、配下の将軍にヘドロックを捕らえ絞首刑に処せと命じる。からくも宮廷からの脱出に成功するが、そのとき彼が発揮した驚くべき能力から、〈武器店最高評議会〉もヘドロックに不信感を抱く。〈武器店〉二部作完結篇。

Ａ・Ｅ・ヴァン・ヴォークト［Ａ・Ｅ・ヴァン・ヴォークト］

沼沢洽治［ヌマサワコウジ］

内容説明

『イシャーの武器店』から７年。地球唯一の不死人ヘドロックはイシャー帝国軍大尉として宮廷に潜入していた。帝国と“武器店”の緊張緩和をめざすというのが、“武器店”への彼の説明だった。だが女帝イネルダは突如、彼を捕らえ死刑に処せと命じる。からくも窮地を脱するが、そのとき彼が発揮した能力に“武器店”側も不信を抱く。二大勢力のあいだで彼は…。傑作２部作完結編。

著者等紹介

ヴォークト，Ａ．Ｅ．ヴァン［ヴォークト，Ａ．Ｅ．ヴァン］ ［Ｖｏｇｔ，Ａ．Ｅ．ｖａｎ］
１９１２年カナダ・マニトバ州生まれ。３９年に短編「黒い破壊者」でデビュー（同作は後に改稿され、『宇宙船ビーグル号の冒険』の冒頭部となる）。一躍人気作家となり、Ｐ・Ｋ・ディックら後進に多大な影響を及ぼした。９５年にアメリカＳＦファンタジー作家協会（ＳＦＷＡ）からグランド・マスター賞を贈られ、９６年のワールドコンでは特別賞を授与された。２０００年没。１２年には生地カナダで、その名を冠したＡ・Ｅ・ヴァン・ヴォークト賞が創設された

沼沢洽治［ヌマサワコウジ］
１９３２年東京生まれ。東京大学文学部英文科卒。２００７年没（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[Panzer Leader]

「第１７８回海外作品読書会」不死の肉体を持つ反政府組織の幹部、長大な歴史を持つ帝国の孤高なる女帝、光速を遥かに凌駕する動力による恒星間移動、死をも操る神のごとき超生命体。これらの要素がごったまぜになったスケール感満点のスペースオペラ。今の目から見るとちょっと辛いところもあるが、書かれた時期を考慮すると相当ぶっ飛んでる作品。「三体」シリーズの原点ではないかと思えた。

2021/04/13

[oldman獺祭魚翁]

「イシャーの武器店」に続いて読了。これは献本として頂いたもので、本当は再読なのだ。しかし内容は武器店の方が良く覚えている。武器店と異なりこちらはヘドロックと女帝イネルダが主となる内容。ヘドロックはイシャー朝・武器店の双方から追われる身となるが、不死人として培った能力を駆使して巧みに立ち回る。武器店とは異なりこちらは時間ではなく距離を広げる内容だが、後半「蜘蛛族」なる全知全能の存在が現れたりして、最後の方はハッピーエンドを感じさせて終わる。ヴォークトは「スラン」が有名だが、このイシャー二作品も名作である。

2017/01/23

[白義]

「イシャーの武器店」の時系列的な続編だが本来はこちらが先に書かれたもの。サスペンス溢れる展開の緊張感、理屈をかなぐり捨てたアイディアの密度は変わらず、不死人ヘドロックを巡る帝国と武器店の謀略、その裏に秘められた驚愕の歴史がメインの軸なのだが、更にそこに人類を遥かに超えた宇宙の支配者、超生命体の蜘蛛族が中盤から唐突に乱入して物語をかき回し、一見すごく行き当たりばったりなようなのに最後は納得の大団円を迎えてしまう破格の超密度。ヴォークトは発想は天才だが小説家としては……というのが定説だがこれは小説としても最高

2018/02/25

[橘]

次から次へと襲いくる困難。さあ、どう解決する？これがヴォークト流、斜め上をゆく超人冒険SF！

2017/03/06

[キミ兄]

「イシャーの武器店」よりもこちらが先に書かれていたらしいが、確かにあちらを後には発表できないな、というこちらの完成度の高さ。対立する主人公と女帝、さらに不死の命、異性人の存在。面白すぎる！この本当の続編が読みたかった。☆☆☆☆。

2017/03/07