内容説明
『宇宙船ビーグル号の冒険』や『非Ａの世界』の著者ヴァン・ヴォークトによる、華麗なる短編集。第二次世界大戦のさなかのナチスドイツによる極秘装置研究の顛末を語る「永遠の秘密」、上映するたびに内容の変わる映画フィルムをめぐる騒動「フィルム・ライブラリー」、地球に侵入した吸血異星種族との息詰まる攻防を描く「避難所」など、ＳＦ黄金時代の傑作中短編七編を収録。
著者等紹介
ヴァン・ヴォークト，Ａ．Ｅ．［ヴァンヴォークト，Ａ．Ｅ．］ ［ｖａｎ Ｖｏｇｔ，Ａ．Ｅ．］
１９１２年カナダ・マニトバ州生まれ。４０年代前半から活躍。功績を称えられて、９５年にはアメリカＳＦファンタジー作家協会（ＳＦＷＡ）からグランド・マスター賞を贈られ、９６年のワールドコンでは特別賞を授与された。２０１２年には彼の名を冠したＡ・Ｅ・ヴァン・ヴォークト賞がカナダで創設された。２０００年没
沼沢洽治［ヌマサワコウジ］
１９３２年東京生まれ。東京大学文学部英文学科卒。２００７年歿（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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記憶喪失した男
8
「偉大なエンジン」「偉大な裁判官」「永遠の秘密」「平和樹」「第二の解決法」「フィルム・ライブラリー」「避難所」からなる。「平和樹」は傑作。2014/10/25
ニミッツクラス
6
70年の初版（190円）。42-48年に雑誌に掲載された7編を収録した本国刊行の短編集である。創元の当時のカバーは著者のもう一冊の短編集「終点：大宇宙（73年）」と補色の同絵柄である。本書とラッセルの「宇宙のウィリーズ」を併読していたら、どちらがどの作者なのか判らなくなった。共にエンタメの香り高き作品群なのだろう。訳者の沼沢氏のイチ押しが本書の「避難所」。読めば瞬時にして驚愕のエロSF「スペース・バンパイア」が思い立つが、それの原作は別物である。「平和樹」「永遠の秘密」の皮肉さが好きだなぁ。★★★★☆☆2015/09/03
青緑
3
可もなく不可もなくという感じであんまり楽しめなかった。「平和樹」は割と面白い。2019/06/19
隆二
2
映画「スペースヴァンパイア」の元ネタの避難所が、まあ面白いと言えるかも。最後のネタに耐えられる人限定だけど。2010/04/14
ほたぴょん
1
好みの分かれる本だと思う。でもそれはしょうがないだろう。ＳＦというのは元々、好みの分かれるものだ。同じように優れたＳＦ作家でも、ブラッドベリのように抒情性を持ち合わせた作家もいれば、そうでない作家もいる。ヴォークトはそうでない方の作家だが、ＳＦとしてのワンダーはちゃんとそこにある。ただ、短篇であるがゆえに、そのワンダーをこちらが了解するスピードよりも、物語が進んでいくスピードの方が早くて、おいてけぼりを食らう、というようなところがあったように感じたのは、もったいなかったように思う。2018/07/03
