感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
94
今やその原題“The Lost World”が全ての失われた秘境冒険物語の代名詞ともなっているまさに原型とも云える本書は現代の冒険スペクタクル小説に比べれば多少の見劣りはするが、ドイルの想像力が横溢して読者を退屈させない。しかし現代に甦った恐竜の世界を描く冒険小説の体裁で本書でドイルが最も語りたかったのは男の成長譚ではないだろうか?あくの強い面々によってなされた冒険譚。失われた世界に生きる生物の神秘よりもこれら愛すべき男たちの成長にエッセンスが込められていることに気づいたのが大きな収穫だった。2016/10/27
takaC
60
ちょっと前にNHKスペシャルで南米の原住民(イゾラド)特集をしていたがあまり凶暴な感じではなかった。なんてことを思いながら読んでた。2016/09/04
えーた
30
いわずと知れたアーサー・コナン・ドイルの著名な科学冒険小説。本当はしぶしぶ執筆していたというホームズものとは違って、この作品は作者の筆が実に生き生きしているように感じられる。作者の動植物や歴史、地理に関する知識と、その臨場感あふれる描写力にはさすがと唸るが、人物描写も素晴らしく、絶体絶命のピンチというときにチャレンジャー教授と論敵サマリーが突然始める脱俗科学論議がまるで漫才を見ているようで、個性的な四人の登場人物達のどこかユーモアあふれるやりとりが、この血なまぐさい冒険譚に涼を添えており、それが良かった。2017/01/28
k16
23
チャレンジャー教授シリーズ、古典。 子どもの頃ジュブナイル版読んでるはずも恐竜がでてくる部分の記憶しかなく新鮮に読めた。 語り手の新聞記者マローンの恋人に唖然。2019/06/25
taku
21
正しい冒険小説である。突っ込みどころがあっても娯楽なのだからこれでいい。SF的設定や探検部分をもっと膨らませられるのにと思うが、これも古典的作品の味わいといったところか。作品を支えているのは人物造形と人物の絡み合い。ここがしっかりしているから面白い。「ジュラシックパーク」「猿の惑星」の着想元らしいが、何か別の既視感。失われた○○…ギアナ高地…洞窟。“地底人クルピラ”じゃないですか、藤岡隊長!コナン・ドイルも、伝説の転がり落ちてくる丸太は思い浮かばなかったか。2019/09/24