出版社内容情報
★本書は『書評空間 KINOKUNIYA BOOKLOG』にエントリーされています。
内容説明
帝位を継承する者は誰か?大陸暦1091年2月、皇帝ボグダーン二世の崩御とともに噴き出した数々の野望は氷雪の国マヴァールを覆い尽くし、国内外で戦乱と殺戮を引き起こす。身分も違えば性格も違うかつての学友カルマーン、ヴェンツェル、リドワーンを中心に、玉座を巡る権謀術数を描いて物語の醍醐味を堪能させる本格歴史絵巻。著者の真髄を示す三部作を一巻に収めた決定版。
著者等紹介
田中芳樹[タナカヨシキ]
1952年熊本市生まれ。学習院大学国文学科大学院修了。77年、「緑の草原に…」で第3回幻影城新人賞を受賞してデビュー。88年、『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞受賞
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感想・レビュー
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おかむー
70
田中芳樹が『アルスラーン』『創竜伝』『タイタニア』の三大シリーズを開始し、最も筆が乗っていた時期、三部作のため冗長に陥らず、結果として田中作品のなかでもトップクラスの作品(異論は認める)。『たいへんよくできました』。架空の中世戦記モノとしていくぶんオトナ向けというか、野望と謀略がより強調された展開はアルスラーンの“おキレイさ”が鼻につく俺にとっては実に楽しい。反面、清涼感を担いつつもこの作品の“おキレイ”担当リドワーン一家の存在が複雑な気分にさせるなぁ。そういう意味でラストもちょっと複雑(´・ω・`)2015/06/01
さら
23
何に苦労したかというと、地名、名前。登場人物が多くてなかなか物語に入り込めませんでした。しかもカタカナの名前って判別がつきにくく、ただでさえ苦手意識があるのに、若い頃と違い衰退していく脳には苦行のようでした(笑)。 それにしても何と慌ただしい物語でしょう。短い間に次々と野心家が事を起こすという、アンジェリナの言葉を借りれば「時代の毒」が成せる業なのでしょうが、読んでいて少々疲れます^^; 登場人物の中で人間らしく好感を持てたのは、アンジェリナとフェレンツだけでした。2015/07/02
おくりゆう
19
同作者のアルスラーン戦記と比べるとファンタジー要素がない本格的な歴史絵巻という印象の3部作を一冊にまとめた本。個人的に読みたかった物語が、テンポ、分量、作中の時間に対して凝縮された展開、設定にキャラクターと文句なし(期待以上)の形で読ませていただき、大満足。2014/02/19
緋莢
16
帝国マヴァールの皇帝崩御が、様々なことを浮かび上がらせる。次期皇帝を選ぶ選帝公の資格を持つ六公家の思惑も絡み、権謀術数が渦巻くことに…田中芳樹作品という事で 期待して読み始めたのですが、う~ん…と、のれないまま終わってしまいました。巻数のある『銀河英雄伝説』、『アルスラーン戦記』と比較するのもアレですが、それらの作品のような面白さがなく、また魅力を感じるキャラクターがいなかったのが大きかったかなぁ、と。 好きな人には申し訳ないですが、自分にはあわなかったです。2022/03/10
スプリント
16
学生の頃に読んで再読です。中世ハンガリーをモチーフにした架空世界の年代記です。政争や会戦などは史実をもとにしているものが多く、元ネタを思い浮かべながら楽しめました。最後はちょっと急いでまとめすぎた感(登場人物を始末しすぎ・・・)がありますが十分楽しめました。2015/01/17