出版社内容情報
死体そのものから情報や記憶を奪取する死骸検術(ネクロマンシー)を扱うソ連の特殊工作員ドラゴサニは、更なる力を手にするため祖国ルーマニアへ赴き、異形の存在から吸血鬼族(ヴァムフィアリ)の秘密を探り出そうと目論む。そしてイギリスでは、死者の魂と交流することでその能力を身に宿す死霊見師(ネクロスコープ)として覚醒したキーオウが、若くして死んだ母の霊からその死の真相を聞き出し、己の能力を用いて復讐を遂げる決意を固めていた。それぞれの野心と悲願は、やがて英国やソ連の超常能力を用いた情報戦の局面を大きく左右するまでに膨らんでゆく。巨匠ラムレイ渾身の傑作。
内容説明
死体から情報や記憶を強奪する死骸検師ドラゴサニは、更なる力を手にするため故国ルーマニアへ赴き、吸血鬼族の秘密を探り出そうと目論んでいた。一方、死者の魂との交流によってその能力を身に宿す死霊見師キーオウは、母を殺した継父への復讐を遂げるべく力を磨いていた。相似する能力と正反対の魂を持つ青年たちの死闘を描く、“タイタス・クロウ・サーガ”の著者による傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
14
死んだ人と交流できる超能力者vs死んだ人から情報を抉り出す超能力者の物語。なにやら古めかしいスタイルと思いながら読み進める。解説を読むと、発行は1986年。33年も昔の能力者物語というものは、劣化が著しいのも仕方がないという読後感。少々退屈しながら読了。続巻があるらしい。順番に翻訳がされるのかしら。2019/07/29
Masa
11
読了。初読み作家です。最初、読みづらいなぁとしか思えませんでしたがぐいぐい惹き込まれました。ここ数年で読んだ超能力モノの中では一番かなぁ。いい物語に出会えた感が強いです。上巻出だしの描写にはオエーという感じでしたが、主人公の一人であるハリー・キーオウを追いかけるのがとにかく楽しい。終わらせ方もひねっていないのにうまい(まぁ、"ひねって"いるのですが)。冒険怪奇小説、とでも言うのか? いやぁ、うん、良かったと思うなぁコレ。でもこの感想に自信が持てないのは何故だろうなぁ。2019/06/11
がんもどき
8
ネクロマンシーとソ連と冷戦と吸血鬼、メビウスの輪…ちょっといろいろ詰め込みすぎだと思う。ハリーとドラゴサニに焦点を当ててすっきりさせた方がよく思える本だった。この作者の本はもういいかな。2024/06/01
エリオちゃん
2
2人の話が交差した時の氷解感が最高に気持ちいい。 作者の好きな要素がありったけ詰め込まれた作品は読んでいて最高の気分になる。 2019/07/04
Scorpio_type_B
1
続編翻訳希望。2019/08/07