内容説明
不自由な暮らしから逃れるための、気まぐれな巡礼行のはずだった。しかし、次第に異様な出来事が一行を襲うようになる。イスタは眠れる男の夢に悩まされ、供のひとりは魔に憑かれる。さらに、隣国の軍に襲われたイスタらは、危ういところをひとりの騎士に助けられた。ふたたび神の訪いを受け、第二の視覚を得たイスタが、騎士の城で見たものは?傑作異世界ファンタジー第二弾。
著者等紹介
鍛治靖子[カジヤスコ]
東京女子大学文理学部心理学科卒、翻訳家。梶元靖子名義もあり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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慧の本箱
19
国太后イスタの物語下巻です。前作で気の病を患っていると思われていたイスタが、巡礼を機に己に課された使命に果敢に挑みドンドン力強くスパー国太后イスタに変貌。面白かったですね。ロマンス・・・それはお楽しみに。2024/05/06
tom
17
主人公のイスタが悲惨な最後に至ることはないはずだけど、ところどころに危機的場面が生じる。そのたびに、この物語、どんな結末に至るのかとドキドキしながら読み進める。戦闘場面のユニークさもなかなかのもの。何かの映画で見たことがあるようなシーンではあるけれど、映画よりもリアルかも。ということで楽しんで読了。最近は、生々しいミステリーを読むのが妙にしんどい。それに引き換え、ファンタジーは良いなあと思う。今現在、二冊ファンタジーを読んでいる。年末にファンタジーばかり読むとは思ってもいなかった(笑)。2024/12/30
本の蟲
12
隣国の軍に襲われたイスタたちは、その地を治める地方貴族の郡候アリーズに救われる。彼はイスタの亡夫である先々代国守の寵臣ルテスの庶子だった。アリーズの城に滞在することになるイスタだが、神々の干渉により再び目覚める第二の視覚により、城とアリーズの秘密に関わることになる。前作よりはっきりと〝魔”や〝魔術師”が大暴れして、ファンタジーとしての側面が強い。神が一体何をさせたいのか、主人公が右往左往するのは相変わらずだが、どちらかといえば、わかりやすい宮廷陰謀物の前作の方が好み2021/09/27
Masa
12
読了。前作と比べるとそちらの方が好みであったのだけれど、それでも十分すぎるほど面白い物語でした。なにが面白いのかといわれると、実はまだつかめていません。ビジョルドフィルタがかかっているのは間違いないのですが、この五神教シリーズ、奥が深くて読みきれていないような気がします。神と魔と魂の世界観、そこに済む人々。これらがあった上でこの物語の真の魅力はなんなのか。う~ん……。2019/07/19
詩歌
12
未だ戦争の気配が残る場所。黄金将軍の残り香。未来を失った未亡人だったイスタが、希望と喜びを手に入れる。もう一人の未亡人(仮)も苦しい決断を強いられる。生きて、ちゃんと逝くこと。女性の活躍著しい話でした!2014/05/22