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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
230
心霊研究のために集められた男女が館に滞在する話。母の看病を続け、内向的で人付き合いの苦手なエレーナが旅に出るという大枠があるため、館に着いてからも彼女から見た人との出会いや葛藤が中心となる。この話では館の入り組んだ構造そのものに悪意が込められていて、説明のつかない怪現象に襲われた人々の間に互いへの不信感をかき立てる。その様子が、エレーナの歪んだ自意識を通して、現実と非現実の入り組んだ迷宮のように描かれる。館そのものの怪物性とエレーナの狂気が融合していく過程が見事であり、キングが絶賛するのも肯けた。19592021/10/07
まふ
130
スティーヴン・キングが「ねじの回転」と並んで絶賛したという作品。心霊学研究者モンタギュー博士の呼びかけに応じて集まったエレーヌ他2人が、闇の歴史を抱える怪しげな「丘の屋敷」を泊まり込みで調査する。宿泊を重ねるうちに様々な超常現象が起こる。途中で教授の妻が飛び込んできて教授チームの調査を掻きまわす…。ほぼ一世代後のキングの作品のオドロドロシイ造作とは異なり、本作品は、より内面的・心理的な世界が描かれており、わたし的にはこの作品の方が遥かになじみ易かった。G665/1000。2024/12/13
ちょろこ
112
永続的な恐怖、の一冊。舞台は闇を抱いてひっそりと建ち続ける丘の屋敷。屋敷調査のために集まった四人の男女。このどこか幻想的な匂いが漂う屋敷が秘めているもの、続発する怪異、終始まとわりつく不穏な空気。それらがもたらす喜怒哀楽、狂気と…次第に人の心が操られのみこまれていく、そこにとにかく薄気味悪さを感じた。瞬間的ではなくじわりじわりと永続的な恐怖、これがこの作品のポイントなんだろうな。彼女が屋敷にのみこまれたのではなく、彼女が幸せのために屋敷をのみこんだのかもしれない…そう思うと哀しみの空気が漂った。2019/06/24
keroppi
75
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の二・洋編〉スティーヴン・キングが「過去百年の怪奇小説の中で最もすばらしい」と絶賛し、「シャイニング」にも影響を与えたというので読んでみた。凄い惨劇が起きるわけでもなく、凄い超常現象が起きるわけでもないのに、何故か怖い。人の心にじわじわ押し寄せる狂気が怖いのか。2024/07/21
hit4papa
61
幽霊屋敷に集ったものたちに迫り来る怪異という典型的なゴーストストーリーです。派手な演出で読者を震え上がらせる類のホラーではありません。例えるならば、油断しているとフイと視界を横切るものがいる といった不気味さでしょうか。
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