出版社内容情報
もと魔使いの弟子モーガンが、冬の魔王を目ざめさせようとしている。けがで倒れた魔使いにかわって、トムはモーガンの野望をくじくことができるのか? 映画化原作シリーズ。
内容説明
ぼくはトム。冬になり、師匠とぼくはいやな噂のある、アングルザークの冬の家に移ることになった。陰気な冬の家で待っていたのは、ラミア魔女のメグ。おまけに師匠のもと弟子モーガンが、冬の魔王ゴルゴスを目ざめさせようと、師匠とぼくに罠をしかけていた。大怪我をして瀕死の魔使いにかわり孤軍奮闘するトムは、モーガンの野望を挫くことができるのか?人気シリーズ第三弾。
著者等紹介
金原瑞人[カネハラミズヒト]
法政大学教授・翻訳家
田中亜希子[タナカアキコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
34
文庫版はこれで最後?勿論続けて読みます、素晴らしく面白いから!師匠の切ない恋の名残、ラミア魔女メグと恋に墜ち、彼女を庇い守り、メグを眠らせる決断を下した師匠の傷だらけの過去。だからトムとアリスにも厳しかったのか。そして歪んだ元弟子モーガン。ある意味正統な敵キャラだが、師弟を陰湿に追い詰めていく。絶体絶命を逆転していく伏線は流石。家族との別れは魔使いの宿命なのか。人物造形、伏線、そして予兆とどれをとっても素晴らしい物語。もっと読まれても良い物語!!2018/04/23
酢橘
13
季節は冬。トムと魔使いは別の地方にある「冬の家」へと移ることになった。陰気な冬の家には、魔使いの昔の恋人であったラミア魔女がいた。魔使いの元弟子であり、今や邪悪な死霊使いとなったモーガンが魔使いとトムに罠を仕掛けてくる。今回も怪我や病気、感情の問題が原因で魔使いはなかなか動けない。そんな中でトムは、時にアリスと力を合わせながら困難に立ち向かっていく。2014/02/10
星落秋風五丈原
9
魔使いとして呼ばれる時は重宝がられるが、結局は魔との接点を持つものとして周囲からは異端視される存在。いつ悪に引きずられても仕方がない境界線に自分がいることを、今回トムは破門された弟子との出会いで実感する。2014/05/09
estis
6
今巻少し都合が良すぎるような気がするところがあった(地下室の階段ですれ違うところ)けれど、それでもおもしろい。 物語はだいたい危険な方向へ進んでいって、最後になんとか解決というパターン。 主人公が後日記録して書いているのだから、助かることはわかっているのに、どうなるのかが気になる。 主人公ではなく、師匠がどういう思いでそういった行為を取ったのかを考えると、ちょっと違う面が見える。ジョン・グレゴリーは色々呑み込み過ぎだ。 さて、映画公開時には、シリーズ四巻以降も文庫化されるだろうか。2014/03/02
Hisae
6
アリスとの将来について考えさせられる巻でした。いつでも自分の基準に正直に従って、そのまま行動してしまうアリス。トムという存在が、アリスを常に闇に取り込まれるギリギリの淵で踏み留まらせています。今回の魔使いとラミアの魔女との別れは、そのまま将来のトムとアリスのすがたになるのでは・・という予感を読者に感じさせます。 続きが気になりますが、単行本で読まないといけないのかな?!2014/03/02