出版社内容情報
勇敢で無鉄砲な黒鷲獅子スカンドゥラノンは、小柄だが賢く機敏な雌鷲獅子ザニールに出会い、惹かれていく。だが〈沈黙の魔法使い〉アーゾウの軍に、敵の魔の手が迫っていた。
内容説明
邪悪な魔法使いが創り出した殺し屋たちの狡猾な攻撃に、“沈黙の魔法使い”アーゾウの軍は苦戦を強いられていた。アーゾウの創造物たちのなかでも、とりわけ優れた能力をもつ黒鷲獅子スカンドゥラノンは、新兵器を調べようと密かに敵の陣地に潜入するが…。はるか昔、伝説の“大魔法使い”アーゾウと宿敵マ=アルの戦いの物語が、そのヴェールを脱ぐ。“魔法戦争”三部作第一弾。
著者等紹介
細美遙子[ホソミヨウコ]
高知大学人文学部文学科卒業、英米文学翻訳家
佐藤美穂子[サトウミホコ]
大阪府出身。関西学院大学文学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アイゼナハ@灯れ松明の火
27
ヴァルデマール建国以前に時代を遡り,悪の魔法使いマ=アルから世界を守らんとする<沈黙の魔法使い>アーゾウの戦いを描く【魔法戦争】三部作の開幕。アーゾウの愛でし子であるグリフォンたちが主人公ということで,雄々しいスカンドゥラノンもいいのですが,何ともザニールが可愛いなぁ。種族を超えて団結し,敵に立ち向かうというと聞こえはいいですが,現実にはこんな風に,その中でも色んな偏見と闘わなければならないものなのかも知れませんね。下巻も楽しみ。2013/06/02
詩歌
16
「鷲獅子が」「ヘルタシは」という記述を読む度、原文には「Man」もあるんだろうけど省略されてるのかなとか、何やら日本語が差別的に感じられるな、とか。責任者出てこい!と登場人物も読者にも思わせる、虐待された隼獅子。この戦争はシリーズの歴史に残る話。なのに傷ついた精神が回復していく過程が主軸なのが面白い皮肉。種を越えた友情と会話が戦中とは思えないくらいで、作中の医療カウンセラーの重要性は高い。2015/03/23
しまっち。
6
やっと第3部が出るというので読み始める。全ての始まりとも言える、アーゾウとマ=アルによる魔法戦争。しかしアーゾウの実際の立場や鷲獅子の在り方は後世で語られているものとは違ってそれぞれに苦悩があり、イメージが全く違うせいか新鮮に読める。戦争なんだけど、アーゾウを取り巻くスカンや〈琥珀の竜〉達の家族のような繋がりが心地よい。でもいるんだな、いかにも分かってないばかちんのシェイクナムのようなヤツが。こいつの存在がどうも危ういぞ。それにしてもやっぱりヴァルデマールは面白い。2017/09/21
明野 立佳
6
鷲獅子とはそういう生き物なのか・・・・。 今回は主人公(の一人が)鷲獅子なのでちょっと変わった印象も。 でもキャラクターがいいですね。 作者の描くべきところが、心理的な分野に重点をおいているので いろいろ感心させられます。おもしろいです。2013/06/30
アクセプター
4
スカンと<琥珀の竜>の物語ってところ。ザニールとタリアが似た立場かな。スカンの二重思考なのか括弧内、慣れるまで時間がかかった2013/08/01