内容説明
機織りの少女タナクィが綴る、デイルマークが“川の国”と呼ばれていたころの物語。異教徒との戦争に出征した父は戦死、長兄ガルは心を病んで帰ってきた。だが、その陰で、邪悪な魔術師カンクリーディンが“川”に呪いをかけ、全土を洪水が襲う。ガルのきれぎれの言葉を道標に、タナクィたちは魔術師が待ち受ける下流へと旅立つ。デイルマーク先史を描く大河ファンタジィ第三部。
著者等紹介
三辺律子[サンベリツコ]
白百合大学大学院修了。英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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さつき
46
再読。前二作からだいぶ時代を遡り、神々の存在がぐっと近い古代の物語。川辺の村に住む5人きょうだいが主人公。DWJの描く大家族は本当に魅力的。いつも仲良くしているわけではないし、むしろ家族だからこそ反発し合いケンカも絶えない。それなのに、こんなに憧れるのはどうしてかなぁ…同じ体験をしても5人それぞれ見ているもの、共感するポイントが違う。だからこそ、それぞれの得手を生かし、強敵に立ち向かっていかれるのでしょう。次女タナクィの作る、物語が織り込まれたローブを見てみたい!というか、この作品映像化されてないのかな?2017/07/21
星落秋風五丈原
23
前二巻がヨーロッパ中世後期、戦争に鉄砲が使われ始める頃を想定しているとすれば、今回はブリトン人とアングロサクソン諸部族が抗争していた時代を思わせる古代。〈川の国〉を襲う洪水の中、ガルのきれぎれの言葉を道標に,タナクィたちは魔術師が待ち受ける下流へと旅立つ。真実を知るために 。デイルマーク先史を描く大河ファンタジイ第三部。 2004/12/20
斑入り山吹
7
読む手も止まらず一気に4巻全部読んだ。ひどく感動したが、1読で理解できず、次にじっくり4巻読んでからのこの感想。この3巻ではモリルたちやミットたちが出会うんだろう、と期待して読み始めるとさにあらず、びっくり。彼らに会いたいのにぃ~、とじらされた気分。しかしこの話、色々考えさせられるのだ。異なる民族が出会うときに起こること、とかそういう。この話は特に重要なのだよ。不死の者たちが誰が誰だか分かってくると、やっと何が何だか分かってくる。こうも重層的にほつれもなく世界を構築できるジョーンズ氏はすごい。次で終わる!2015/05/16
がる
7
デイルマーク王国史3。 再読だけど、楽しめました♪ ラストがうまいなぁ、としみじみ。 そうして、巻末の用語集も重要。 やっぱり好きだ。最終巻も味わって読もう~(*^_^*)2013/11/06
mabel
7
デイルマーク4部作の中で一番の傑作。作者の非凡さと力量を感じる。国が生まれる瞬間を読者と共有することで太い綱となってこの世界を、そして、物語を支える。もしこの作品がなければどこにであるような3部作になっていたかもしれない。(トルコにて)2012/10/23
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