出版社内容情報
文学と妖怪は切っても切れない仲、妖怪に縁の深い作家はもちろん、意外な作家が描いていたりする。本書はそんな文豪たちの語る様々な妖怪たちを集めたアンソロジー。雰囲気たっぷりのイラスト入りの尾崎紅葉「鬼桃太郎」、泉鏡花「天守物語」、柳田國男「獅子舞考」、宮澤賢治「ざしき童子のはなし」、小泉八雲著/円城塔訳「ムジナ」、芥川龍之介「狢」、室生犀星「天狗」等19編を収録。妖怪づくしの文学世界を存分にお楽しみ下さい。
内容説明
文学と妖怪は切っても切れない仲、意外な作家が妖怪を描いていたりする。本書はそんな文豪たちの綴る様々な妖怪物語を集めたアンソロジー。雰囲気たっぷりのイラスト入りの尾崎紅葉「鬼桃太郎」、泉鏡花「天守物語」、宮澤賢治「ざしき童子のはなし」、小泉八雲(円城塔訳)「ムジナ」、芥川龍之介「貉」、内田百〓「件」等19篇を収録。妖怪づくしの文学世界を存分にお楽しみ下さい。
著者等紹介
東雅夫[ヒガシマサオ]
1958年神奈川県生まれ。早稲田大学卒。文芸評論家、アンソロジスト。怪談専門誌『幽』編集顧問。著書に『遠野物語と怪談の時代』(日本推理作家協会賞受賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
117
日本の文豪といわれた作家たちの妖怪に関する作品集です。尾崎紅葉の「鬼桃太郎」という怪作という絵本がまず絵と共に印象を強いものにしてくれます。小泉八雲、芥川、瀧井の「狢」の競作、内田百閒のよくアンソロジーに収められている「件」などこの分野に興味のある方にはお得な1冊です。2018/12/30
sin
92
題名に偽りない文豪いや文人達の正しく妖怪物語である。そしてその編者の作品の選別が良い、有機的に作者や作品同士を関連付けて心憎いばかりの妙味を醸し出していて、各々の作品がどうと云うより、全体としてまとめて味わうことの出来るアンソロジーとして仕上がっている。ただ欲を云えばその関連付けに於ての必然から妖怪の種類に偏りがあって、もっと多種多様な妖怪物語を読んでみたいと物足りなさを感じたことも否めない。2018/01/26
HANA
76
明治から大正、昭和の文豪が書いた妖怪たち。それらを一冊にまとめたアンソロジー。名立たる文豪が描いただけに、どれもこれも粒揃いの逸品ばかりで大満足。怪作「鬼桃太郎」から始まり、鏡花は「天守物語」八雲は「貉」に百鬼園先生「件」と名作から、小田仁二郎や瀧井孝作、椋鳩十まであまり妖怪に縁の無さそうな作家まで幅広く収録されている。文学が現実とは違うもう一つの世界を覗き込む手段だとしたら、これは彼らを通してその豊饒な世界を垣間見させてくれる一冊。既読の名作も一風変わった初読も、馴染み深い彼らと久々に出会わせてくれた。2018/06/20
ロア
34
狐や狸に一反木綿、かわいい河童たちなどなど、怖いのとはまた違った、妖怪にまつわる言い伝えや物語りが沢山!エッセイ部分は読むのに少し苦労したけれど、お話の部分はなかなか楽しめました。尾崎紅葉の『鬼桃太郎』は文章も挿絵もカッコイイ!鬼桃太郎にはもっともっと活躍してもらいたかったな(*´Д`*)宮沢賢治の『ざしきぼっこ』は独特の語り口が味わい深くてほっこり〜♡円城塔訳の小泉八雲『ムジナ』は「オ・ジョチュー!」連呼が必死過ぎて、怪談なのに笑えてきちゃいました( *´艸`)2018/07/09
ひなきち
30
難解な作品もあったが、どうにか読了…。様々な作家のバラエティ豊かな妖怪話を、舌鼓を打って食べた感じ…。すっかり満腹でポンポコリン!泉鏡花『天守物語』、日影丈吉『山姫』、椋鳩十『一反木綿』、小田仁二郎『からかさ神』、火野葦平『邪恋』が、特にお気に入りになった♪もっと読んでみたいなぁと思える作家に出会えるのは、本当に嬉しい(^o^)2017/09/23