内容説明
リーガルの罠からフィッツを救ったのは、行方不明となっているヴェリティの圧倒的な“技”の力だった。“わがもとへ来よ”ヴェリティの呼びかけに、応えようとするフィッツ。一方、彼を捨てたはずの恋人は、密かに娘を産んでいた。このままでは自分の幼い娘が、後継者争いに巻き込まれる。フィッツは王を見つけ、六公国を救うことができるのか?三部作ついにクライマックス。
著者等紹介
鍛治靖子[カジヤスコ]
東京女子大学文理学部心理学科卒、翻訳家。梶元靖子名義での主な訳書に、キム・ニューマン「ドラキュラ紀元」「ドラキュラ戦記」他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かりあ
9
いやいやいやいや…………誰がこんな展開を予想しただろうか……………絶望と希望の入り混じったラスト…。だけどそれがまたこの話に深みをもたせてるんだよなぁ。みんなが救われて全てが丸く収まって「はいおしまい」ではないのが私にはすごく良かった。これはまだこのシリーズを追いかけて、フィッツの人生の最後の最後までを見つめたいと思う。2017/02/07
しまっち。
5
この物語は、一方向、フィッツ目線でしか光が当たらない。フィッツの心は一途で陰の存在に徹しているし、旧きものを呼び起こす事を成し遂げたしたヴェリティにも苦悩しかなく、どうにも華々しさがないのだ。でも逆にそこが妙に生々しくもあり、時々読むのがしんどくなりながらも止めることはできなかった。そして最後、赤の船団との戦いに割かれる紙面はビックリするほど少ない。でもこれは結局フィッツの物語なのだし、その後の休息の先にある続編にすでに想いは飛んでいる。道化もまだ大きな存在として出てくるようなので、楽しみなのである。2016/05/08
Chikara Tonaki
4
終わってしまった。この巻からファンタジーファンタジーして来たのだけど、相変わらず最後まで痛ましい物語でした。 しかし、フィッツの子供の頃の記憶が抜け落ちているのが何故なのか、古き血族の話とか、まだ語られていない事柄は続編で書かれているのでしょうかね?楽しみです。2019/05/11
ゆゆ
3
想像を絶する帰還。これが帰還なのか。 誰もが傷ついた上での大団円。 失ったものはあまりにも大きい。 だが、それがこの時代の人生というものなのかもしれない。 ガッカリさせられる所が全く無く、技と気の設定に驚くばかりでした。 本当に楽しい読書時間でした。2021/03/04
duzzmundo
3
ようやくフィッツの長い旅路が終了。楽しみながらも、感情移入していると、読者にとってもなかなか長くつらい旅でした。ついに本当にドラゴンが現れて最後にファンタジー感が出たという感じ。続編はまた時間を置いて手を出す予定。2018/01/14