内容説明
六公国未曽有の危機に再開された“技”の訓練。庶子ゆえの禁忌を超えてフィッツも参加を許されるが、技の長はなぜか彼にむき出しの敵意をぶつけてきた。一方、継ぎの王ヴェリティは、自らを限界まで酷使して赤い船団の襲撃を防ごうとする。そんな折、ヴェリティに政略結婚の話がもちあがった。フィッツも花嫁を迎えに山の王国へ赴く一行に加わるが、彼は王から密命を受けていた。
著者等紹介
鍛治靖子[カジヤスコ]
東京女子大学文理学部心理学科卒、翻訳家
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感想・レビュー
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作楽
11
虐げられ、殺されそうになり、暗殺者に育てられ、愛情らしいものをうけずに育つ子供。 ようやっと読み終えて、続きを読むか悩みます。疲れた。2018/06/14
aiwendil1
6
ファーシーア一族シリーズ一作目下巻。王宮の陰謀と古い魔法に彩られた世界で王の継子の庶子フィッツの波乱に満ちた数奇な人生を描く。「道化の使命」で断片的に語られていた過去を辿るような形で読むことになった。何が起こるか大まかにはわかっているものの、詳細や経緯が答え合わせのようで楽しい。この巻はきちんとひと段落ついたところで終わっていたのが少し意外だった。今後の経緯が楽しみ。2017/05/26
しまっち。
6
読み進めるにつれてだんだんつらくなるフィッツの境遇。なかなか濃厚なストーリー展開である。第三王子リーガルの陰謀に巻き込まれてフィッツ自身の命も狙われ、一番身近なブリッチにも距離を置かれ、信頼できる第二王子ヴェリティとは遠く隔たっている。でも山の王国との友好、リーガルの陰謀の阻止はフィッツの存在があったからこそ成ったのだ。触媒という存在の意味とは。しかし赤の船団の脅威、リーガルとの関係と、この先の展開も厳しそうだな・・・。それにしてもシヴァルリはフィッツにどんな想いを持っていたのだろう。とにかくかなり面白い2016/03/30
袖崎いたる
6
庶子は暗殺を生業にする仕来たりなのか、主人公もその道に。そして人を殺していく。僅か十代の半ばであるにも関わらず、師匠の教えの下に政治的判断もできるようになり、王の密命を負わされる。また、この作品では『コードギアス』という作品のギアスという能力を思い出してもらえばわかるが、<技>というチートな能力がある。主人公は未熟ながらその使い手であり、動物との対話のできる<気>という能力の使い手でもある。そして頭もいいので、主人公はなかなかチートなキャラになりそうだが、この『騎士の息子』では未熟なままなのが残念。2015/07/16
Chikara Tonaki
5
面白かった。もちろん続編も読みますが、この三部作が全て品切れ(絶版?)ってどういう事よ?!今の時代古本で入手しやすくなったから良いものの、それだと作者の収入にならないから複雑な気分です。2019/04/29