創元推理文庫
夜の夢見の川―12の奇妙な物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 379p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488555054
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

その異様な読後感から〈奇妙な味〉と呼ばれる、ジャンルを越境した不可思議な小説形式。本書には当代随一のアンソロジストが選んだ本邦初訳作5篇を含む12篇を収めた。死んだ母親からの晩餐の誘いに応じた兄妹の葛藤を描くファンタスティックな逸品「終わりの始まり」。美しい二頭の犬につきまとわれる孤独な主婦の不安と恐怖を綴った「銀の猟犬」など、多彩な味をご賞味あれ。

クリストファー・ファウラー「麻酔」
ハーヴィー・ジェイコブズ「バラと手袋」
キット・リード「お待ち」
フィリス・アイゼンシュタイン「終わりの始まり」
エドワード・ブライアント「ハイウェイ漂泊」
ケイト・ウィルヘルム「銀の猟犬」
シオドア・スタージョン「心臓」
フィリップ・ホセ・ファーマー「アケロンの大騒動」
ロバート・エイクマン「剣」
G・K・チェスタトン「怒りの歩道──悪夢」
ヒラリー・ベイリー「イズリントンの犬」
カール・エドワード・ワグナー「夜の夢見の川」

シオドア・スタージョン[シオドア・スタージョン]

G・K・チェスタトンほか[G・K・チェスタトンホカ]

中村融[ナカムラトオル]

内容説明

その異様な読後感から“奇妙な味”と呼ばれる、ジャンルを越境した不可思議な小説形式。本書には当代随一のアンソロジストが選んだ本邦初訳作5篇を含む12篇を収めた。死んだ母親からの晩餐の誘いに応じた兄妹の葛藤を描くファンタスティックな逸品「終わりの始まり」。美しい二頭の犬につきまとわれる孤独な主婦の不安と恐怖を綴った「銀の猟犬」など、多彩な味をご賞味あれ。

著者等紹介

スタージョン,シオドア[スタージョン,シオドア] [Sturgeon,Theodore]
1918‐1985。アメリカSF界における幻想派の巨匠として、レイ・ブラッドベリと並び称されていたのだが、近年再評価がめざましく、ジャンルを超越した短編の名手として認められるようになった。スタージョンの作風を語るとき、よく使われるのが「キャビアの味」という評言。独得の読後感を表す言葉だろうが、じつは名前に由来する洒落である。スタージョンというのは、チョウザメの英語名で、しかも、この風変わりな名前がれっきとした本名であり、出生時につけられた名前とは似ても似つかないのだから、話はますます面白くなる

チェスタトン,G.K.[チェスタトン,G.K.] [Chesterton,G.K.]
1874‐1936。作者はイギリスの作家・批評家・詩人。評伝や文明批評の方面で健筆をふるったほか、悪夢と不条理の物語である『木曜の男』(1908/同前)も世評が高い。チェスタトンといえば「逆説と警句」の人であり、論理のアクロバットを特色とする

中村融[ナカムラトオル]
1960年生まれ。中央大学法学部卒、英米文学翻訳家。編著、訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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まふ

99
中村融編「奇妙な味」小説アンソロジーの第2篇。今回は中編をより多く加えて読書体感を高めたそうだ。全12篇中私の好みはフィリス・アイゼンシュタイン「終わりの始まり」とフィリップ・ホセ・ファーマー「アケロンの大騒動」だった。どちらも奇妙というよりはバカバカシイ世界…笑ってしまった。私の好みである。「麻酔」はいつか登場が予想されるような内容であり、期待通りの内容だったが如何せんグロすぎる。「夜の夢見の川」は敬遠したい世界。全般的に前シリーズの方がオモシロ度が高かったような印象であった。2024/06/12

sin

91
編者によると「理屈では割り切れない余韻を残す」作品を前作以上に重視したとあるが、自分には余韻というより後味の悪さが際立つようだ。そのうえ悦に入って…読者のみなさまにおかれては、大いにモヤモヤしていただきたい。などと得意げに語りかけてこられるが、釈然としないモヤモヤはいくら噛み締めても味気無いばかりで〈奇妙な味〉どころか苦味すら感じてしまった。2017/05/04

藤月はな(灯れ松明の火)

69
再読。「バラと手袋」が味わい深い。当時は取るに足りない物だが、歳を取るともう二度と取り戻せない、かけがえのないものとなっている思い出の品を蒐集するヒューバーマン。だが彼は過程を怠らない復讐者であった。過去のヒューバーマンへの仕打ちが綿密に語られるのですが、お前もかい!!最後の不穏な一文から推察するとヒューバーマンは折れざるを得なかったのだ。「イズリントンの犬」はこんなふしだらな家族といるよりもワンテナ=ヴァレンティーナと逃げた方がずっと、幸せだっただろうに・・・。そして表題作はまさに逃れられない悪夢だ。2022/08/14

帽子を編みます

62
【奇妙な味海外読書会21】読了しましたが、もう読み返すことはありません。巻頭の「麻酔」スプラッタ、サイコホラーです。歯医者に行こうとしている人、読んではいけません。私も定期検診の季節、行きたくないです。自分の蔵書なら封をしておきます。奇妙な味、いろいろなものがあると思うのですが、チェスタトンやスタージョンが好きです、有名アンソロジーの読み慣れた作品の方が安心感があるように思いました。不安なのは実生活だけで十分です。夢の世界では、多少の幸せをみたいものです。2021/05/09

星落秋風五丈原

61
映画『マラソンマン』で、何も知らない青年がナチスの残党の歯医者が麻酔なしで歯の神経をエアタービンでえぐるシーンを見て、「うわ、歯医者って怖い!」と思った人もいるだろう。しかし、今回アンソロジーに選ばれた「麻酔」も相当ひどい。ブラジル・ナッツを食べていて歯にはさまったサーロウは、一時間近くも待たされていたのでつい中に入ってしまう。するとドクター・マシューズと名乗る医師が治療するがどうも口の辺りに違和感が…。この先はとても書けません!いや、訳した鴻巣さんあっぱれ!ただし、奇妙な味を通りこして痛すぎる!2017/08/13

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