出版社内容情報
太古の昔、全宇宙を支配していたという邪悪な神々――悪夢のようなクトゥルー神話を生んだ鬼才ラヴクラフトの全集第2巻。宇宙的恐怖にみちた暗黒世界への鍵ともいうべき作品「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」魔神の秘密を知った青年を襲う恐るべき出来事を描いた傑作長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」を収録。
目次
「クトゥルフの呼び声」
「エーリッヒ・ツァンの音楽」
「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」
1 ~ 1件/全1件
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
130
1巻を読んでから3年が経過。クトゥルフの呼び声はTRPGでもお馴染みで原作を読めて良かった。長編はやはり読みづらく、当初は少しづつ読み進めていたが一向に読めないので時間をとって一気に読み進めた。読みながらも感じる気味の悪さは流石としか言いようが無い。3巻も積んであるが読み終わるのは何時になるやら。2019/02/27
藤月はな(灯れ松明の火)
103
クトゥルフ神話の序章でもある「クトゥルフの呼び声」。人間の好奇心が進歩させると同時に破滅へと向かわせるという真綿で首を絞めるような事が仄めかされていてじわじわと怖い。「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は不死者による成りすましの物語。でも一番、凄いのはクトゥルフ系は例え、儀礼であれ、異界のモノと化した元人間であれ、接すれば、狂うとされているのに正気を保ったまま、真実を見据えて為すべきことを完遂したウィレット医師。しかもその方法でクトゥルフ系の呪文を使っても正気なんだからSAN値耐久度の方が凄すぎる・・・。2017/08/31
財布にジャック
72
怖い怖いと言いながら、ラヴクラフトの世界に魅かれて2巻をまた読んでしまいました。「クトゥルフの呼び声」で、またクトゥルフとは何かの謎に一歩近づき、「エーリッヒ・ツァンの音楽」は冥界の音楽を題材にした味のある作品でした。そして唯一長編の「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は黒魔術が出てくるようなホラーですが、ミステリーとしても良く出来ています。最後の最後に震え上がりました!うわぁ~!また怖くて眠れなくなりそうです!2010/10/20
absinthe
65
absintheはラヴクラフトのファン。この人は独自の世界観を作ってしまった。この世界観に感銘した多くの作家がついづいしたので有名。この作家の得意技は、恐怖の本質を直接見せないこと。カーテンの向こう側に恐ろしいやつがいて、それは解るんだけどカーテンは開けさせない。そういう感じ。ジワリジワリと後から怖くなってくる。そういう話。「チャールズウォードの奇怪な事件」は名作。
Bugsy Malone
64
「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」2つの短編と長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の計3編。「クトゥルフの呼び声」は尾之上浩司さん翻訳で1度読んだが、今回も面白かった。「チャールズ・ウォード」の魔術的なストーリーは、会話が無い文体でその狂気に至る経過と謎が克明に綴られ、異様な緊迫感と恐怖をもって読了した。益々持って興味が尽きず、次巻も読みたいと思う。2016/01/02