出版社内容情報
伝説の魔法使いアトリックス・ウルフ。その呪文でふたつの国の戦いは収束した。だが、その戦場で悲劇がおこる。そして20年後、魔法学校に通う若者がウルフを探し出す。
内容説明
カルデスとペルシールの戦をやめさせようと、アトリックス・ウルフは魔法をかけた。呪文で創りあげた恐るべき姿の闇の乗り手。だがペルシール王は殺され、カルデス軍も戦場から逃げ出した。戦場でいったい何が起きたのか。二十年後ペルシールの王弟タリスは、魔法学校の背後にそびえる山の頂で伝説の魔法使いアトリックス・ウルフに出会う。めくるめくイメージに満ちた魔法譚。
著者等紹介
原島文世[ハラシマフミヨ]
群馬県生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぱせり
14
強大な力を持つ魔法使いが生み出したものは、作り手でさえも、持て余すほどの大きな力を持った。この物語が現実の鏡のように思えて仕方がない。人間の力で制御できないものを、なんで平和「利用」なんてできると思うか。ほっとするのは、城の台所の雰囲気。アリソン・アトリーの『時の旅人』を思い出します。 2012/06/27
星落秋風五丈原
12
カルデスとペルシールの戦をやめさせようと、アトリックス・ウルフは魔法をかけた。だがペルシール王は殺され、カルデス軍も戦場から逃げ出した。戦場でいったい何が起きたのか? めくるめくイメージに満ちた魔法譚2012/08/22
みこと
8
久しぶりの翻訳ANDファンタジーだったからか最初はちょっと硬い感じがして読みにくかったな〜。でも読んでいくうちに引き込まれていきました。こんな魔法もあるのね。最後の一幕がとてもよかった。このシーンのためにこの物語があったのかな、なーんて。幻想的な魔法と森の場面と慌ただしいお城の台所の場面が表裏一体という感じでとても好きです(*^_^*)2012/07/14
ハルト
7
伝説の魔法使いアレックス・ウルフをめぐるFT。どっぷりと魔法世界に身を委ねられる安定感。魔法や戦いの場面と台所の場面との差異がよいメリハリになっていたなあと思いました。忙しくて大変そうなんだけど、なんだか楽しそうでいい。そして料理がおいしそう!背景描写や気高い森の女王も幻想的で美しく。種族を越えた希望が感じられる終わりかたでよかったです。2012/06/22
cecilia
6
親子の再会が泣けるっ。よかったねー(泣)親子愛もさることながら、兄弟愛も見逃せない!いいですなぁマキリップ、はずさないです。 印象深かったのはアトリックスが狩人を消滅させるところ。それまでの人生での思い出が魔法になるって素敵だなぁ。美しかったです。2012/06/14