出版社内容情報
額に3つの星を帯びたヘドの領主モルゴンは、数多の謎の答えを求め偉大なる者のもとへ。ファンタジーの金字塔、謎の紡ぎ手マキリップの代表作〈イルスの竪琴〉3部作第1弾。
内容説明
幽霊との謎かけ試合に勝って、大国アンで王冠を手に入れたヘドの領主モルゴン。だが王女と結婚すべくアンにむけて再び船出するや、船は難破し海に投げ出される。モルゴンの額の三つ星、執拗に彼の命を狙う、不気味な変身術者たち。数多の謎の答を求め、星を帯びし者は偉大なる者のもとへおもむく。ファンタジーの金字塔、謎の紡ぎ手マキリップの代表作『イルスの竪琴』第一弾。
著者等紹介
脇明子[ワキアキコ]
香川県出身。東京大学大学院人文科学研究科修了。ノートルダム清心女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アイゼナハ@灯れ松明の火
42
『指輪物語』や『ベルガリアード物語』のように決して分かりやすい訳じゃない。だけど、分かりにくいところは流しながらでも、主人公モルゴンの葛藤に胸を痛めながら、一緒に旅を続けていくことが心地好いと思わせてくれる三部作の幕開け。敵の正体も世界に迫る危機の内容も全くの五里霧中であるなかで、受け入れたら最後、これまで形作ってきた自分とは違う存在になりかねない名前、受け入れたからといって世界が救われるといった約束がある訳でもない名前を選べるものか…モルゴンの彷徨は運命に導かれていないからこそ共感できるのかも。2011/09/12
いおむ
14
既読済みです♪この作品のお陰でパトリシア•A•マキリップにドはまりしました。
えむむ
10
久々の海外本格ファンタジー。のんびり始まって、色んな名前が一気に出てくるのが昔ぽくて懐かしい。1回読んだだけじゃ分からず、再読したら少し見えてきた。美男美女がたくさん出てきて、表紙絵もキレイでよい。2024/04/19
更紗姫
10
ワインってそんなに善い物?必需品なの?『美味しいビールがあるんだから、いいじゃないの』と何度か思った。ヘルンの葡萄酒の味?“香料入りの熱い葡萄酒”っていうのも私には不可解。モルゴンがエリアードと喧嘩して、トリスタンに酸っぱいミルクをぶっかけられるシーンが好き。家族に囲まれ、ヘドにしっかり根を張った若き領主の姿を丁寧に描く事で、後に彼に降りかかる苦難と悲嘆が際立つ。すっかり黄ばんだハヤカワ版山岸涼子先生の華麗な挿絵はたま~に眺める事にして、普段読みには創元社版を手元に。2014/01/13
綾乃
9
読み手に「さあ、ここまで来なさい」と言わんばかりのマキリップ様の作品。「来れないのなら、無理せずお帰りなさい」、と言われている気もする。 一言一句を解釈というより、雰囲気に乗れれば独特のウツクシイ世界観に浸れます。主人公モルゴンの運命への流されっぷりがなかなか。最後は えええ?で即、次巻へ。 2018/06/01