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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
299
古代から伝わる謎に満ちた古文書に導かれて未開の地、アフリカの奥地へ。本書は、イギリス人の作家が書く典型的な冒険小説であり、こうした作品の通例として白人至上主義が横溢することも否めない。その一方で、解説の生田耕作が指摘するように「シュールレアリスムの祖」といった側面を持っていることもまた確かだろう。多分に陳腐にも見えかねないが、永遠の美女アッシャの時空を超えた表出は幻想文学が持つ神秘性に繋がらないものでもないと思う。もっとも、私はそこまで礼賛する気にはならないが。2017/08/01
まふ
116
「ソロモン王の洞窟」と並ぶ著者の冒険活劇代表作。ケンブリッジ大の同僚の教授から依頼されその息子レオの後見人になったホリーが秘密の箱に指示されたとおり、アフリカ中央部に探検の旅に出る。現地で野蛮な原住民に恐れられている女王の正体を見極める…。インディ・ジョーンズシリーズのプロトタイプのような作りであり、初出が1887年というから、そのアイデアが当時いかに斬新であったかが分かる。寿命2200年の女王とは…スゴイとしか言いようがない。古めかしさを全く感じずに一気に楽しく読ませてもらった。G1000。2024/02/23
NAO
54
ハガード2作目。謎の古文書、誰も知らない未開の地、そこに永遠に生き続ける妖しげな美女と、男性が追い求めるロマンのすべてが詰め込まれた王道の冒険小説。それがあまりにも王道すぎてどこか胡散臭い感じがして辟易してしまうのは、現代の作品を読み過ぎている弊害だろうか。こういう話は、きっと、本で読むより娯楽映画として観た方が純粋に楽しめるのだろうと思う。 2017/02/12
kagetrasama-aoi(葵・橘)
38
ヘンリー・ライダー・ハガードによる秘境冒険小説。2000年の間恋人を待ち続ける “洞窟の女王アッシャ” 。子供の頃読んだ時には、舞台のアフリカ大陸が今現在のアフリカ大陸よりもっとずっと未知の地域で、想像の余地が沢山あった気がします。アッシャは絶世の美女、そして生まれ代わりの恋人レオ・ヴァンシーも当然絶世の美男子。レオの後見人ホリーが言うなれば “絶世の醜男” このホリーが語り手なんだけど、大人になって読むと何だか意味深な語り口なんですよね。今時ではあり得ないけど、冒険小説とは斯くあるべしと(続く)→2023/08/27
花乃雪音
30
20年後に開封する指示がされた箱を受け継いだレオ・ヴィンシィは開封の時を迎える。箱の中には古代の壺の破片があり、そこに書かれたギリシア文字を読んだことを切っ掛けに中央アフリカへ探検に向かう。そこで彼は美しい女王アッシャと出会う。未開の地への冒険譚を期待して読んだら冒険はほどほどで恋愛分の強さに驚いた。かといってこれは恋愛小説だと言い切るほどの深みは感じない。結局女王アッシャのキャラクターの魅力によって成立している作品だった。2021/11/13
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