感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
13
ロアン枢機卿という人物が出てきて、「首飾り事件」で重要な役回りを演じます。ロアン家の誇りを示す家銘 ─ 王にはなれぬ、公では御免だ、われらはロアン ─ を読んだ後で「ベルばら」の漫画を読むと、誇りも名誉心もない間抜けなデブのキャラクターが情けなくなりますな。まして、高貴な貴族たるもの、マリー・アントワネット・ド・フランスなどという名前に瞞されるわけがない。(と、昔ひとりで怒っていました(笑)。) あの時代にあんな面白いことがあったかも、と思わせられたらそれだけで小説家の勝ち!2007/02/14
きりぱい
12
プロローグからもう面白い!フランス革命の口火ともなった王妃の首飾り事件。首謀者ジャンヌを中心とした映画もあったけれど、こちらは事件も少し様相が違う。ストーリーは広範囲に、宮廷内での駆け引きに踏みにじられる純愛と高潔の志と、圧倒的に大ロマン。王妃が魅力的にもひんしゅくにも見方を変える。それにしても、単発だと思っていたら、四部作の二作目にあたるのだった!もちろんこれだけでも楽しめるのだけど、カリオストロ伯爵の妖気に読みたくなる前作も、これに連なる作品も翻訳されておらず読めないのが残念!2011/07/20
noémi
10
気が狂いそうになるほど難しかった本。事件はド・ラモット夫人がロアン枢機卿と王妃をペテンにかけて160万リーブルの首飾りを着服したという極めてシンプルなものなのだが、その底辺には王妃の尊厳を傷つけたという、日本人の私に理解しにくい心理劇が描かれている。こんな長い物語なので、再読はしないと思い、何度も何度も読み返してみたが、フランス王妃の尊厳とはどうある状態のとき守られているのか、わかるようでわからない。終盤のラ・モット夫人の処刑場面、侍女のアンドレの絶望の結婚式などド迫力。デュマの筆致はブリリアント。2017/11/12
viola
7
面白いことは面白いのだけれど、デュマの腕はこんなものじゃない・・・・と思ってしまうのです。ジャンヌは結局、なぜ罪を犯したのか?ということが良くわからない。動機がないならイアーゴーに近付けるなりして欲しかったかな。個人的にはやっぱり『モンテ・クリスト伯』と『メアリ・スチュアート』の方がはるかに上。四部作のうちのこれしか翻訳がないため、前作品を読んでいないためか?デュマは日本でも人気のあるフランスの大文豪。翻訳を強く望みます!仕方ない、英訳はあるようだし、そのうち英訳で読むかな・・・・。2011/12/28
isuzu
4
読了後、併せて、他に首飾り事件を扱ったエンタメ作品を読んでみると面白いです。切り口の違いが楽しいです。(ベルばらとか) しかしいかにも続く状態で終わって、続きが翻訳されていないなんてあんまりだ!!2007/08/06