創元推理文庫<br> ドラゴン・ヴォランの部屋―レ・ファニュ傑作選

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創元推理文庫
ドラゴン・ヴォランの部屋―レ・ファニュ傑作選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 377p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488506025
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ナポレオン戦争直後、パリへの途上で謎めいた美貌の伯爵夫人と出会った英国人青年が奇怪な犯罪と冒険に巻き込まれていく過程が、息もつかせぬサスペンスの連続のうちに語られる中篇「ドラゴン・ヴォランの部屋」。悪魔と取引した男の凄惨な最期を迫真の筆で描く「ロバート・アーダ卿の運命」ほか全5篇を収録。M・R・ジェイムズ、セイヤーズが絶賛する〈謎と恐怖の巨匠〉レ・ファニュの傑作選。

J・S・レ・ファニュ[J・S・レ・ファニュ]

千葉康樹[チバヤスキ]

内容説明

1815年、パリに向かう英国人青年が救った見目麗しい伯爵夫人。彼女に魅せられた青年に迫る不気味な陰謀を、活劇を交えて綴る表題作ほか、若い娘が嫁いだアイルランドの名門貴族が抱えるおぞましい秘密を描いた「ティローン州のある名家の物語」など、全五篇を収める。「吸血鬼カーミラ」で知られる、十九世紀中葉に活躍した怪奇幻想作家の約半世紀ぶりとなる日本オリジナル傑作選。

著者等紹介

レ・ファニュ,J.S.[レファニュ,J.S.] [Le Fanu,Joseph Sheridan]
1814年アイルランド、ダブリン生まれ。ダブリン大学トリニティカレッジに進学し、38年、月刊雑誌「ダブリン・ユニバーシティ・マガジン」に“The Ghost and the Bone‐Setter”を発表。現在でもヴィクトリア朝を代表する怪奇幻想作家として愛読される。73年没

千葉康樹[チバヤスキ]
1963年生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東邦大学理学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

94
表題作、語り手のベケットに誤配された手紙、仕組まれたものなのか、それともその偶然から悪巧みが企まれたのか、ドラゴン・ヴォランの部屋から姿を消したフランス貴族、ロシア人の真相は?いろいろモヤモヤが残った。それが味なんだろう。短編4編が良かった。重婚と狂女というのは、英文学の定跡か。2017/12/21

藤月はな(灯れ松明の火)

90
レ・ファニュが贈るアイルランドを舞台にした「本当にあった不思議で怖い話」。「ロバート・アーダ卿の運命」は世間で伝わるおどろおどろしさと違い、沈鬱に運命を受け入れようとするアーダ卿の姿が印象的でした。「ティローン州のある名家の物語』は『ジェーン・エア』のよう。しかし、ファーニーさんは時代が違えば、家系に縛られることもなく、自分一人で生きていけるような人だっただろうと思わせる性格なのが彼女の境遇をより一層、遣る瀬無いと感じてしまう。2017/08/29

sin

74
怪異譚が4短篇と、表題の“ドラゴン・ヴォランの部屋”は中編でミステリの先駆けの様な風合いの犯罪小説…。4篇の怪異譚はアイルランドの自然の中で繰り広げられる宿命と因縁、妖精の怪異等…今で云う“本当にあった怖い話”風の物語。そして“ドラゴン・ヴォランの部屋”は、イギリスからフランスに出て来た金持ちの青年が巻き込まれた詐欺事件を描く、その描写は当事者の青年の視点からで、恋に目が眩んだ彼の行動が何とも歯痒くて、読んでいるあいだじゅうその軽率さにつっこみを入れっぱなしであった。まるで別の人物が書いたかのような作風?2017/08/22

HANA

73
怪奇小説からサスペンスまで。レ・ファニュというと「吸血鬼カーミラ」が名高く怪奇作家と思い込みがちであるが、本書ではそれらと同時に『墓地に建つ館』や『アンクル・サイラス』に代表されるような面も楽しむ事が出来る。怪奇小説の方は悪魔や幽霊の復讐、妖精といった民間伝承的な一面も持ち、背後で何かが起きているのにそれをはっきりと明示しない点で現代の恐怖小説に通じる部分があるなあ。表題作だけど密室や早すぎた埋葬等、ポオの探偵小説に通じる気がするのは自分だけだろうか。しかし今更この著者の本が読めるとは夢のようであった。2017/02/13

星落秋風五丈原

50
もっと恐ろしい話ばかり出てくるのかと思いきや、人はむしろ甘美な恐怖に魅せられていくのですね。2017/03/07

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