創元推理文庫<br> ゼンダ城の虜

創元推理文庫
ゼンダ城の虜

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 597p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488505011
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

299
本書の刊行は1894年。まさに世紀末である。ところが、この小説にはそうした影は全く見当たらない。そもそもが19世紀文学としてさえ古めかしいくらいである。王位を簒奪しようとする王の異母弟およびその一味と剣で戦い、美しくも高貴なフラビア姫に恋をしつつ、涙ながらに身を引き…まるで騎士道小説のテーマをそのまま背負うかのようだ。また、主人公のルドルフが王と瓜二つであり、それがなければ物語が成立しないなどという、もはや陳腐なまでの設定。ひとえにガーディアンのイギリス小説への身びいきの成せる所業としか思えない。2023/10/21

まふ

99
ルリタニアという東欧の架空国での冒険活劇物語。英国紳士ルドルフが王国の皇太子が瓜二つだったことから、王位継承権をめぐる騒動に巻き込まれる。皇太子の腹違いの皇太子の弟を王位につけようとする側近達の陰謀と策略、それを阻止しようとする皇太子の側近達の活躍、ルドルフと王女フラビアとの恋など盛りだくさんのお話が出てくる。が、今日改めて読むとまさに今日のテレビゲーム世界の原点であることに気づき、興味を失って流し読み気味に終えた。このため続編「ヘンツォ伯爵」はパスした。G1000。2023/05/24

NAO

73
ゼンダ城に幽閉されてしまった次期王。そのゼンダに偶然来合せたイギリス貴族の次男坊。二人が瓜二つだったことから起こる一大冒険劇。ちょっと中世風の舞台設定といい、複雑に絡み合う恋愛関係といい、アレクサンドル・デュマのダルタニャンシリーズ(特に『仮面の男』)を思い起こさせる。 2020/09/18

kagetrasama-aoi(葵・橘)

24
冒険小説の傑作!辞書に”ルリタニアン”という形容詞を新しく加えたという、人口に膾炙された物語。子供の頃に出会い何度となく読み返しています。この創元推理文庫版は、”井上勇氏”の翻訳です。大好きな翻訳者の一人、格調高い文章です。2019/04/09

花乃雪音

17
表題作『ゼンダ城の虜』と続編『ヘンツオ伯爵』を収録。続編の評価がいまいちと書かれていたが本編と続編の面白さにさほど差を感じなかった。本編での主人公の活躍そのものが良かったのか悪かったのかを考えさせられる続編ではあった。中東欧の架空の国で繰り広げられるロマンスと陰謀の物語で作中の舞台となったルリタニア王国から採られたテーマ「ルリタニアン」からは『ルパン三世 カリオストロの城』を、王が囚われるという状況からはデュマ『鉄仮面』が想起された。2022/03/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/47528
  • ご注意事項