出版社内容情報
雪に埋もれるように亡くなった恋人たち。その死は無理心中と断定されたが、たったひとつ、解決しきれない奇妙な疑問が遺された……「白い恋人たち」ほか、懐かしの音楽とお茶を楽しむように、ゆったりと楽しめる七編のミステリを収録。鬼刑事の奥様と料理上手の旦那さまの名コンビぶりが光る、人気シリーズ最新文庫化!
内容説明
容赦のない言行と卓越した捜査能力で、県警捜査一課内で敬われながらも同時に恐れられている、通称“氷の女王”こと京堂景子警部補。だが、彼女には自宅では年下の夫にデレデレになってしまうという秘密があった。美味しい手料理で妻の疲れを癒しつつ、難事件も鮮やかに解き明かして一家の平和を支える夫の新太郎君と、外ではクール、家では乙女な景子さんによる謎解き全七編。
著者等紹介
太田忠司[オオタタダシ]
1959年愛知県生まれ。名古屋工業大学卒業。81年、「帰郷」が「星新一ショートショート・コンテスト」で優秀作に選ばれる。『僕の殺人』以下の“殺人三部作”などで新本格の旗手として活躍。2004年発表の『黄金蝶ひとり』で第21回うつのみやこども賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hnzwd
37
外ではクールな刑事の景子と、在宅で働くイラストレーターの新太郎の2人を主役に据えたシリーズ。今回は紅茶と音楽を効果的に使いながら、きれいな連作短篇集になっています。安楽椅子探偵として事件を解決してしまう新太郎と、新太郎の作る美味しそうな料理もいつも通り。事件は若干悲惨なのが多めですが、、安心して読めるシリーズ。2020/06/09
ち~
31
京堂夫妻シリーズ④いつもの2人の仲良しぶりや謎解き、新太郎の手料理、そして今回は新太郎の仕事が絡むエピソードも楽しめた、短編7話。最終話では大好きな歌が使われていたのも嬉しい。ジャム入りのティーソーダ、飲んでみたい🍹2022/04/24
マッちゃま
26
いや〜実に面白い♪安定の面白さに一味加えたシリーズ第4弾。細かい事に拘らなければ刊行順を気にせず読める安楽椅子探偵物の短編集かとも思います。新キャラ登場や以前に比べてイチャイチャ度は減ったものの夫婦仲は変わらず。30〜40頁の7作なのですが全体を通しての仕掛けもあって最終話で明かされる謎解きはヤラレタって思いました。エレガントな紅茶と音楽に纏わるエッセイから始まり、そこから本編に突入する流れは絶妙な導入部でもあったりします。飯テロ茶テロ覚悟、いや寧ろ紅茶を用意して本書を楽しむのが一番のオススメかもです。2020/06/04
MATHILDA&LEON
16
仕事では厳しく冷血な刑事・京堂景子と、安楽椅子探偵的役割を持つ夫の新太郎のシリーズもの。新太郎の作る料理が実に美味しそうであるが、本作では紅茶がテーマで、紅茶の種類や飲み方などが分かりやすく描かれていて、いずれも飲んでみたくなる。 もちろんミステリ部分も面白く読めるし、新人刑事の登場もあるし、それらがラストを迎えるときに一つにまとまるのが気持ち良い。サラッと読めるライトな一冊。2025/01/26
クキモン
14
シリーズ4作目とは知らずに初読み。でも違和感なく読めました。氷の女王と呼ばれる警部補が、家に帰れば普通に可愛い奥さんに豹変。料理上手な旦那さんが作った夕食の席で、観察力の優れた旦那さんが解決のヒントを出すという一種の安楽椅子探偵もの。紅茶に関する知識も増えました。一作目に戻って読みます。楽しみです。2024/10/06