出版社内容情報
「老人だから」「寂しい人だから」「優しくしてあげましょうよ」
すべての油断が地獄の始まり。
『死刑にいたる病』の著者による戦慄のサイコサスペンス
一気読み必至!!の声、続々。
平凡な会社員の女性に突如降りかかった、老人による執拗なつきまとい。何か隠している恋人、深刻に捉えない警官……誰もこの地獄から助けてくれない。一方、若夫婦が都内の自宅で老人に襲撃され、夫は死亡、妻は攫われる事件が起きる。二つの事件に関連する老人は何者なのか、そしてその目的とは。圧倒的筆力で読者を放さない、戦慄のサイコサスペンス。『老い蜂』を改題文庫化。解説=古山裕樹
内容説明
平凡な会社員の女性に突如降りかかった、老人による執拗なつきまとい。何か隠している恋人、深刻に捉えない警官…誰もこの地獄から助けてくれない。一方、若夫婦が都内の自宅で老人に襲撃され、夫は死亡、妻は攫われる事件が起きる。二つの事件に関連する老人は何者なのか、そしてその目的とは。圧倒的筆力で読者を放さない、戦慄のサイコサスペンス。『老い蜂』を改題文庫化。
著者等紹介
櫛木理宇[クシキリウ]
1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞。同年、『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
68
単行本『老い蜂』より改題。たしかに執着者だった。老人によるストーカー行為がめちゃめちゃ怖い。いちいち映像が浮かんできてしまって震えた。巧いなあ櫛木さん。おまえはあとまわしという言葉が頭から離れん。2024/11/29
H!deking
66
いやー冒頭のストーカーのくだりがマジでめちゃくちゃ気持ち悪いですね。後半は櫛木先生らしいどんでん返しの連続です。2024/05/26
JKD
48
自分を表現する言葉を知らず、感情をコントロールする術も知らないまま育った竹根の犯罪心理や、竹根を悪人にさせてしまった鴇矢ミレイ、さらにはその根底にある親たちの憎悪など読んでいくうちにどんどん深みにはまっていく。ストーカーの話と言えばそれまでだが、老人の不気味さと凄まじさはホラーの域を越えてくるから読み出すと止まらなくなる。犯人像の目星がつかないまま捜査が続き、ついにラスボスが現れる。玄関ドアにう○こ塗りたくるくだりの意図は謎のままだが、エピローグは爽快でした。2024/05/31
雨
45
文庫化を待っていて購入。他の方が書かれているように単行本時のタイトルの方が不気味で良かった。櫛木さんにしてはラストが爽やかでした。2024/01/31
よっち
38
平凡な会社員女性に突如降りかかった老人の執拗なつきまとい。かつて姉をストーカーに殺害された荻窪署の刑事・佐坂が、略取犯と拉致された女性の捜索に乗り出すミステリ。くせ者ながら優秀な警視庁の北野谷と組んで挑む中で起きる、建築士が殺害され妻が老人に略取される事件。一見繋がらないそれぞれの出来事から、事件マニアの佐坂が見出した意外な共通点。犯罪被害者家族の悲惨なその後、執念深く常人には理解できないストーカー心理、事実が明らかになるたびにガラリと構図が変わってゆく展開で、その先にある決着がとても印象的な物語でした。2024/01/19