内容説明
殺人の現場を目撃したと告げる匿名の手紙を受け取った埼玉県隈ケ谷署は、半信半疑で動き始めた。血痕や拳銃、折から消息を絶っていた男の遺体が発見されるに及んで、投書は俄然信憑性を増す。被害者が貸金庫に預けていた紙片を解読するや事件全体の様相は一変、思いがけない構図が明らかになって…。鮎川哲也氏との交流に胚胎した、父娘作家の出発点にして菊地警部シリーズ第一作。
著者等紹介
藤雪夫[フジユキオ]
1913年宮崎県生まれ。50年、『宝石』百万円コンクールに「渦潮」が上位入選。娘の藤桂子と共同執筆した『獅子座』が刊行された84年に急逝
藤桂子[フジケイコ]
1943年神奈川県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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geshi
29
二つの殺人のアリバイトリックに暗号解読プラス恋愛ドラマとサービス精神豊かな昔ながらの推理小説。途中で視点が二つになって純粋な謎解きとしては方向性がブレたな。第一の殺人の二つのアリバイトリックの思わぬ複合は面白いから、こっちをメインにすればよかったのに。第二の殺人は時刻表トリックを試行錯誤しながら徐々に崩していく過程は期待してたのに最後の一点の処理が腰砕け。ラストの誰も幸せになれない事件を通した痛々しい男と女の物語は切ない。2016/10/25
二葉
6
講談社ノベルズから積読してるし、この創元推理文庫判も販売日に買ってるから、長く積読していた「獅子座」をようやく読了。第一部は推理小説を読み始めた頃のワクワク感があって楽しめた。第二部で作品の雰囲気が変わるのは、人によっては評価が厳しくなるのかな2020/11/23
hazama
3
綺麗だ。読んでよかった。題材・ドロドロの人間関係・警察の地道な捜査・アリバイ崩し、と箇条書き要素は普通の推理小説なのだが、品が良いと言うのが適しているかな。ややセンチメンタルに纏まり過ぎかもしれんが、美しかった。鮎川哲也の解説もいい。2009/12/02
キエリボウシミミズク
2
残念ながら、おすすめは出来ない一冊。2019/11/30
硯浦由咲
2
親子で合作って、どういうことかな?って謎だったんだけど、あとがきで納得。こういうのを落ち着いて読んでると、ほんっと幸せだなーと感じるわ。楽しかった。2014/05/02