出版社内容情報
天才テナー奏者・永見緋太郎、アメリカを行く。クインテット休止して原点を見つめ直すという唐島に同行した永見が出合った謎など。シリーズ第三弾!
内容説明
天才的なテナーサックスの腕前とは裏腹に、世事にはうとい永見緋太郎。だが、ひとたび不思議な出来事に遭遇するや、音楽を奏でるように見事に謎を解き明かす。アメリカで管楽器の盗難事件に巻き込まれた永見が見いだした人情味溢れる真相他、日本のみならずニューヨーク、シカゴ、そしてジャズの聖地ニューオリンズなどを舞台にした全七編。ジャズと不思議に満ちた、痛快ミステリ。
著者等紹介
田中啓文[タナカヒロフミ]
1962年大阪府生まれ。神戸大学卒。93年「落下する緑」を鮎川哲也編の『本格推理』に投稿し入選。長編『凶の剣士』(後に『背徳のレクイエム』に改題)が第2回ファンタジーロマン大賞に佳作入選。2002年「銀河帝国の弘法も筆の誤り」が第33回星雲賞日本短編部門を受賞。09年「渋い夢」で第62回日本推理作家協会賞短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
したっぱ店員
40
ジャズは全然わからないけど、読んでいると音が聞こえてくるようなシリーズで大好きなのにこれで一応完結とのことで残念。今回はアメリカへも場所を移し、ますます冴える永見のテクニックと推理が楽しい。登場するミュージシャンたちのアクの強さも印象的。伝説とかいっぱいありそうだなあ。2014/05/12
T. みぃた
16
文庫で再読☆永見緋太郎の事件簿第3巻♪ あ~ッなのに、未だに『落下する緑』『辛い飴』は読んでない。今年はせっかくお休み取ってたのに、足のことやらなんやらで、定禅寺ストリートジャズフェスティバルに行けなかったので、のほほん永見さんのジャズミステリーに浸りました♭ 続きも出そうな雰囲気なので、その前に1巻2巻読まねば!2015/09/26
gachi_folk
15
ニューヨーク、シカゴ、ニューオリンズ。財布に金はないけれど、街にはジャズがある。ジャズじゃ腹は膨れないけれど、いろんなものが満たされる。相も変わらず最高なシリーズ。ここで一先ず休憩ってのが寂しい。この三部作のおかげで我が家のレコード棚にジャズものが増えた。文字から音が伝わる小説ってすごいな。もっともっとスウィングしたい!2015/09/08
ファーラス
7
再読。やはり面白い。永見と唐島のジャズ師弟コンビ、ジャズミステリ短編集3作目。現状での最終刊。3巻では日本を飛び出し、シカゴやニューオーリンズといったジャズの聖地で武者修行をする傍ら、ジャズを伴って発生する謎を永見が解決する。コンパクトな短編の中に、ご当地とジャズゆえのメインキャラクターたちの進行型ストーリー、そして興味を引くミステリ、ヒューマンドラマを組み込み続けるのは並大抵の技ではない。軽く読めて演奏シーンでぶち上がるライトミステリの体を取っているが、極めて高い技術がそれを実現している。続刊希望。2024/07/11
tako
7
シリーズ3作目。最初のほうのミュージシャン同士の話は登場人物が濃すぎて読んでいて疲れた。まあ、だからこそマイペースで空気を読まない永見の設定が生きてくるって部分はあるんだけど。それに対して唐島とのアメリカ2人旅の部分は面白かった。ニューヨーク、シカゴ、ニューオリンズと街と音楽が融合したような場所でそれぞれの音楽と向き合い自分のこれからを見つめなおす唐島と永見の姿が生き生きと描かれていて楽しく読めた。現地のミュージシャンたちとのエピソードもよかった。 スカイエマさんイラストの表紙も素敵。2014/04/12
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