創元推理文庫<br> 風の岬―高城高全集〈4〉

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創元推理文庫
風の岬―高城高全集〈4〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 442p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488474041
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

無実の罪で投獄された男は、十年ぶりにかつての仲間の前に現れた―メランコリックな詩情が横溢する「札幌に来た二人」ほか、非情な結末を乾いた文章で綴ったサスペンスフルな表題作など全14編を収録。全集第四巻は「ある誤報」「ネオンの曠野」「上品な老人」「穴無し能」「北の罠」など、雑誌に掲載されたまま今日まで書籍化されていなかった幻の作品を多数集めたファン垂涎の書。

著者等紹介

高城高[コウジョウコウ]
1935年北海道函館市生まれ。東北大学文学部在学中の1955年、日本ハードボイルドの嚆矢とされる『宝石』懸賞入選作「X橋付近」でデビュー。大学卒業後は北海道新聞社に勤めながら執筆を続けたが、やがて沈黙。2006年『X橋付近 高城高ハードボイルド傑作選』で復活を遂げた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

26
高城高氏のハードボイルドは「赤い収穫」のような派手なドンパチもないがブラッディ・ドールのようなやけに魅力的な男達の信頼関係もない。それでも時に非情で時にメランコリックな北海道の凍てつく光のような描写が過剰を削ぎ落としたハードボイルドの良さをしみじみと教えてくれます。麻薬取締官が踏切事件の謎を追う「踏切」のある言葉が悲痛さ、「ある誤報」の痛烈な結末、「飛べない天使」の因果応報、「風の墓碑銘」のヤラレタ感、「ネオンの曠野」の若者の自分勝手な無軌道さ、「死ぬときは硬い笑いを」の悲愴さは逸品です。2013/03/25

まゆき

6
解説にもある通り高城高の筆になる「当時の風俗」(ここでは昭和三十年代)は古くない。硬くて乾いた筆致のせいと、北海道という土地(と時代)の描写がしっかりと読み手に感じられて作中に展開する事件の新古が気にならなくなるのだと思う。平成の今読んでも胸を打つものがあるし、来し方を振り返って知るべきものがあるような気にさせられる良作。2012/01/23

琥珀

3
ごつごつした文章のはずなのに、どうしてこうも読み続けてしまうのか。全集は本巻でとりあえず完結したが(別に新作刊行の予定あり)、全巻読めて本当に良かった。2008/12/01

自由浮遊社

1
全集最終巻のこれは、今までとは違った感じがある。特に最後の1篇は、道東ではなく函館を舞台にしているせいか、華やかな雰囲気を感じる。作者が筆を折らずに創作活動を広げていれば、函館を舞台にして、また違った趣の作品が書かれていたのでは?と思わずにはいられない。2015/03/26

Look

1
粒揃いの全集も、さすがに四巻になると質が落ちてくるか、と思ったものの、特に後半の作品の出来栄えは素晴らしい。世相の変化のためか、すこーしずつ筆が柔らかくなっていって、実にいい味を出している。休筆せずに書き続けていたら、と夢想せずにいられない。岬の二作もすこぶる良かった。2013/09/26

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