出版社内容情報
福家さんには、全部お見通しなのね。
類稀な洞察力を駆使して
容疑者たちと対峙する警察官探偵
現代の倒叙ミステリを代表するシリーズ第5集
人気シリーズ文庫最新刊
東京駅を出発した新幹線の車中、殺人犯が同じ車両で乗り合わせた女性は警視庁捜査一課の福家と名乗る。目的の京都駅で逃げ切るまで、残り二時間――移動する密室内の攻防にタイムリミット・サスペンスの趣向を盛り込んだ日本推理作家協会賞候補作「東京駅発6時00分のぞみ1号博多行き」など全四編を収録。類稀な洞察力を駆使して容疑者たちと対峙する警察官探偵の活躍を描き、現在の倒叙ミステリを代表するシリーズに成長した〈福家警部補の事件簿〉第五集。
内容説明
東京駅から新幹線で逃走中の殺人犯が同じ車両で乗り合わせた女性は、警視庁捜査一課の福家と名乗る。目的の京都駅に到着するまで二時間―列車内の攻防にタイムリミット・サスペンスの趣向を凝らした「東京駅発6時00分 のぞみ1号博多行き」など全四編を収録。類稀なる洞察力を駆使して容疑者と対峙する警察官探偵の活躍を描き、現代の倒叙ミステリを代表するシリーズ第五集。
著者等紹介
大倉崇裕[オオクラタカヒロ]
1968年11月6日、京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。97年「三人目の幽霊」が第4回創元推理短編賞佳作に。98年「ツール&ストール」で、第20回小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
106
「冷静、明晰、頑固、そして愛嬌」。これは作中で犯人が福家警部補に完敗した時に彼女を称した言葉。客の素性を見抜くことに長けたバーテンダーである犯人は、初めて警部補に会った時に相手が何者か捉えられなかった。ようやく全てを理解した時にはもうお手上げ。そう、彼女に会った時点で犯人たちは既に負けが確定している。そんなお決まりのパターンなのになんで面白いんだろうっていつも探求しながら読んでいる。ただ今回、そんな警部補が動揺する場面があり驚いた。2篇目の犯人の言葉に戸惑う姿。そこに警部補の正体の一面を垣間見た気がした。2023/12/14
HANA
64
倒叙ミステリシリーズ五作目。短編四編が収録されているが、それぞれ違った趣向が凝らされていて非常に読み応えのあるものばかり。特に面白かったのは「東京発6時00分のぞみ1号博多行き」かな。偶然犯人と同じ列車に乗り合わせた福家警部補が京都に着くまでというタイムリミットの中で真相に迫るという構成が実に面白い。外部との限られた情報の遣り取りも警察という組織の長所を見事に生かしている。それにしても福家警部補、シリーズが進むにつれてますます人間味が薄れていくなあ。デウスエクスマキナか中世欧羅巴の舞台劇の運命みたい。2024/03/11
sin
49
病院…感情を表にすることのない警部補だが、どうやら怒っているようだ?女性にだらしない男に対する嫌悪感か、責任ある立場に相応しくない行動に対する義憤だろうか?家庭…なんともマイペースな主婦ではあるが、ペースを乱されたのは彼女の方で警部補の揺るぎない追求が上!バー…職業に対する矜持から犯罪に手をそめたが、職業に対する配慮から馬脚を露わす。新幹線…小冊子にタイムリミットサスペンスの趣向とあるが、バックアップする刑事たちの苦闘が描かれていないので切迫感はない。無理くり感が否めないものの意表を突く最後のオチに納得⁉2023/12/16
hanchyan@飄々
29
お久しぶりの福家警部補。いけ好かないセレブが墓穴を掘って次々と破滅していくこのシリーズ(笑) その犯人像として、第1話の是枝哲が、いかにもいかにもな造形でウヒヒ♪てなる。←という具合に、いきなり犯人を名指ししてもネタバレにならない倒叙もの。本格ミステリなのに感想書くの楽だわ~(笑) 第2話の序盤の構成は「おや?これって……」と、何年か前の翻訳ミステリランキングを賑わせた某作品を彷彿とさせるぞ。……って、やっば結局ミステリの内容に触れるときには言い方に配慮しちゃうよね(笑) ともあれ、とても面白かった。 2024/04/03
ゆきらぱ
27
福家さんシリーズ。キャラはいつも通りだが事件がバラエティに富んでいて飽きることがない。こんな警部補に出会ってみたい。2024/01/14