創元推理文庫<br> 三人目の幽霊

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創元推理文庫
三人目の幽霊

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  • サイズ 文庫判/ページ数 344p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488470012
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

衝撃の辞令を受けて泣く泣く「季刊落語」編集部の一員となった間宮緑は、牧編集長の洞察力に感嘆しきり。風采は上がらず食べ物に執着しない牧だが、長年の経験で培った観察眼に物を言わせ、しばしば名探偵の横顔を見せるのだ。寄席の騒動や緑の友人が発したSOS、山荘の奇天烈も劇的な幕切れはご覧の通り。意表を衝く展開を経て鮮やかに収斂する、妙趣あふれるデビュー連作集。

著者等紹介

大倉崇裕[オオクラタカヒロ]
1968年11月6日、京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。97年「三人目の幽霊」が第4回創元推理短編賞佳作に。98年「ツール&ストール」で、第20回小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

116
落語シリーズ1作目のミステリ短編集。どの話も落語ネタを絡めているのが嬉しい。さらに作中で起こる不可解な日常の謎をスパッと解決していく様がなかなか見事。探偵役の牧編集長の真相を見抜く洞察力の切れ味が鋭かった。一緒に見聞きしているワトソン役の緑(と読み手)を置いてけぼりにする感じで、解決編で全容を知ってなるほどとなる。中には切れ過ぎではというのもあったかな。落語はその場の一発芸。その落語を観ることと目の前で起きた事件を瞬時に的確に捉えて推理することには共通の能力が必要という牧の語りに思わず唸らされた。2020/01/03

aoringo

81
初読みの作家さん、デビュー作。マイナー雑誌の編集者が落語にまつわる謎を解き明かす。主人公たちに派手さはないけど人の死なない日常の謎を気楽に楽しむことができた。そんなに時代は気にならないのだけど、携帯のない頃の古い作品なので続編は手に入りそうもない。続きは図書館にお願いしようかな。2023/09/08

aquamarine

76
今や福家警部補で有名ですがこれは著者のデビュー作だそうです。落語を全く知らないのに「季刊落語」に配属された緑と編集長牧が落語を通じて出会う謎を解いていく短編集。落語に関する話は読んでいてとても楽しく、知っている落語も初めて知る落語もきちんと聞いてみたくなってきました。落語界の人間関係なども含めかなりひきこまれて読みました。謎解きは少々強引と思われる部分はありますが、さくさくと読みやすかったです。デビュー作でもさすが大倉さん、この一冊の中でもどんどん上手くなっていくのがわかるのでシリーズの続きが楽しみです。2015/10/20

セウテス

71
落語シリーズ第1短編集。「季刊落語」に配属した主人公間宮緑と、ベテラン編集長牧のコンビが謎を解く5つの連作短編集。タイトル作は、デビュー作品。長年確執から仲が悪かった落語界の一門同士が、手打ちを記念して二門会を開く。しかし会が始まると、様々な寄席への妨害が行われる「三人目の幽霊」。意外な犯人と、落語の蘊蓄や物語そのものも噺を聞いている様な愉しさが在る。中では「崩壊する喫茶店」だけが、落語に関係しない物語。本作はミステリ好きなら、気がついてしまう名作からのトリックだが、牧が謎解きに苦労するのは一寸笑えます。2017/10/23

はらぺこ

70
『季刊落語』の編集部員・間宮緑と編集長・牧大路が謎を暴く連作短編集。落語を題材にしたミステリーかなぁと思ってたので少し拍子抜けした。嫌いじゃないけど短編やから展開がサクサクしてたのが勿体無いと思う。2013/07/15

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