内容説明
僕、音村夏貴はときどき過呼吸の発作を起こす十四歳。ある日、親友の正哉が目の前で焼死してしまった。どうして…。悲しみにくれる僕の耳に、慣れ親しんだ声が聞こえてきた。死んだはずの正哉が携帯から語りかけてきたんだ!あの火事は不審火だった!?真相を探るために僕は正哉と動き出す。少年の繊細な心の煌めきを見事に描いた青春ファンタスティック・ミステリの傑作。
著者等紹介
畠中恵[ハタケナカメグミ]
1959年高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。88年に漫画家としてデビュー。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。時代物の書き手として多大な支持を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あつひめ
76
これがあの、妖たちがたくさん出てくるしゃばけを書いた人の作品か?とビックリ。夢中になって読み進めてしまった。人の命という神聖な部分を人の手で染めてしまったら…。純粋な気持ちが様々な欲望の渦に巻き込まれる。出生の秘密を知ってしまった時点で、自分のこれからをどう見通すことができるのか…。これですべてが解決されたわけではない。生きている夏貴が、今後どう成長していくか…そこに読者の関心はあるのかも。東との親子関係も気になるし…。夏貴が弱い子でないことはわかってる。だから…先が知りたいのだ(笑)畠中先生、お願い。2014/09/15
ぶんこ
36
テーマが重かったのですが、取り上げ方が薄い感じがして残念でした。 あまりに突っ込みどころ満載で、せっかくのテーマの重みが伝わってきませんでした。 唯一良かったのが、元ホストの義父が一番人間ができていた事。 子供に恵まれずに悩んでいる多くの人達には、酷すぎる内容かもしれません。 しっかり諦めがついた私でも辛かったので。2014/10/31
シャトル
33
【借りた本】ファンタジー要素があるミステリー作品。序章が幾分長くかんじたが途中から凄く話が面白い展開になり一気に読み進めることができました。クローンとして生をうけた少年の周りで起こる連続殺人、放火、そして少年も命を狙われる。犯人は予想の範疇内でしたが…。子供が欲しくてもできない夫婦の心のうちや血は繋がってなくとも生まれる家族愛など読みとれます。著者の代表作「しゃばけ」シリーズもトライしてみたい。初、畠中恵作品 2014/01/06読了2014/01/07
エンブレムT
21
ファンタジーとミステリーが入り混じったお話。テーマが重いせいか、作者の持ち味の1つである温かい読後感はありませんでした。ちょっと詰め込みすぎ感があるのは初期の頃の作品ならでは・・・なのかな?個人的には、携帯から語りかけてくる亡くなったはずの親友「正哉」との、現代ものファンタジー路線でいってほしかったです。。。2009/10/23
rokoroko
18
畠中氏に珍しい現代もの。でも携帯電話に不思議な電話メールがあるなんて面白い。最先端の医療技術の話なのになんだかしゃばけシリーズのよう。面白かった2021/01/20
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- 和書
- 近代語研究 〈第15集〉