出版社内容情報
あるけど、ない。ないけど、ある。
社会からいないことにされても、
助け合って生きてきた五人の子供たち。
彼らの人生は殺人事件によって一変する。
ドラマ化原作『密告はうたう』著者、新境地たる傑作長編。
弁護士事務所で働く青年・諒佑は、幼馴染みの誠の捜索を依頼される。毎年必ず集まると約束していた日を目前に、誠はなぜ姿を消したのか。諒佑は誠と出会った18年前を回想する。無戸籍、ヤクザの家、不法滞在など複雑な境遇に生まれた5人の子どもたちの人生を変えた殺人事件。誠を捜す諒佑は、奇しくもその事件の真相に迫ろうとしていた。警察小説の旗手、新境地たる傑作長編。解説=若林踏
内容説明
弁護士事務所で働く青年・諒佑は、幼馴染みの誠の捜索を依頼される。毎年必ず集まると約束していた日を目前に、誠はなぜ姿を消したのか。諒佑は誠と出会った18年前を回想する。無戸籍、ヤクザの家、不法滞在など複雑な境遇に生まれた5人の子どもたちの人生を変えた殺人事件。誠を捜す諒佑は、奇しくもその事件の真相に迫ろうとしていた。警察小説の旗手、新境地たる傑作長編。
著者等紹介
伊兼源太郎[イガネゲンタロウ]
1978年東京都生まれ。上智大学法学部卒。新聞社勤務などを経て、2013年に『見えざる網』で第33回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y.yamabuki
15
彼等の子供時代と大人になってからで、作品の雰囲気が変わってくる。けれど思いは繋がっている。不遇な環境の中、大人の力を借りながら強く明るく生きていく。そこで育まれた絆は何よりも強い。例え学校に通えなくても、自然に囲まれ、工夫する暮らしも悪くないと思わせてくれる。ところが、そこには秘密が隠されている、大人達にも。そこからはアクションシーンへと怒涛の展開となる。けれど彼等の絆は壊れない。この流れだけで、十分面白いのに、大人達の過去にはモヤモヤ。後半部分は少し作り過ぎの感が。それでも良い作品だと思う。2025/07/11
都忘れ
6
DVから逃れるために戸籍を取れなかった双子の諒佑と美子は、不法滞在の姉弟と学校に行けないやくざの息子と出会う。学校に行けない彼らが過ごす豊かな子供時代の描写が切なくも温かい。山で出会ったじいちゃんの教えを吸収して、たくましく生き抜こうとする彼らに立ちはだかる大きな壁。そして理不尽な現実。「あるけど、ない。ないけど、ある」タイトルの「アン」の意味を幾度も反芻しながらの読み応え充分の一冊だった。2025/07/12
バナナカプチーノ
3
これは素晴らしい一冊でした!無戸籍児、ヤクザの息子、不法滞在者という枠組みから外れた子ども達のハードな環境ながらも懸命に生きていく姿を見守りつつ、読み応えのある骨太なミステリー要素もあり大満足。伊兼さん、これまで知りませんでした。嬉しい作家さんとの出会い。とってもおすすめの作品です。2025/07/07
A
2
無戸籍の諒佑と美子、不法滞在の子供マヨンチットとククリン、ヤクザの息子誠、母上、じいちゃん、シロ(+犬養)の苦しくも楽しい暮らしから、戦争の名残をめぐってどんどんハードボイルドな展開へ。 ちょっと長いのと、諒佑たちのアツい関係はともかくセリフが結構クサい。2025/06/22
本野胡桃
0
出生届が出されず無戸籍で生きてきた諒佑と美子。やくざの家に生まれ社会から爪弾きにされてきた誠。不法滞在のマヨンチットとクリリン。戦争が残した爪痕。なんか重いものがいっぱい詰まった話だった。BOØWYはいつの時代でも最高。2025/07/14
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