出版社内容情報
二つの物語が前と後ろ、両方から始まります。
閉鎖空間での殺人を推理する本格ミステリ&
不気味な悪意をジャーナリストが追うサスペンス
驚愕の真相は中央の「解決篇」で!
名探偵が陸の孤島と化したホテルで遭遇した殺人を解き明かす王道の犯人当て「月琴亭の殺人」。元恋人の死をきっかけに、殺人とも事故ともつかない不気味な事件の連鎖に気がついたジャーナリストの捜査行を描くサスペンス「ノンシリアル・キラー」。前者は縦書きの右綴じ、後者は横書きの左綴じ。あなたは前から読みますか? それとも後ろから読みますか?――二つの中編を繋ぐのは驚愕の「解決篇」。読む順番で事件の見え方ががらりと変わります。
【目次】
内容説明
表側と裏側、あなたはどちらから読みますか?正統派の謎解きを楽しみたい方は「月琴亭の殺人」から、難易度の高い謎解きを求める方は「ノンシリアル・キラー」からどうぞ。本そのものに「仕掛け」を凝らした話題作!
著者等紹介
芦辺拓[アシベタク]
1958年大阪府生まれ。同志社大学卒。86年「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に佳作入選。90年『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。2022年『大鞠家殺人事件』で第75回日本推理作家協会賞および第22回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんぶん
19
【図書館】ちょっと変わったミステリー、2つの物語が真ん中の解決篇で合体する話。 謎解きはともかく登場人物が良く判らない話。 右と左、縦書きと横書き、左右どちらからも読めるミステリー。 よくもまあこんな話を構築したものだ。 この日本語をヤマナシと読めるとはとんだ解釈である、「小鳥遊」がタカナシと読むくらい難しい(笑) でも、こういうミステリーは嫌いでは無い。 御苦労の後が垣間見られるミステリーだった。2025/09/25
assam2005
15
右側からは縦書きで「月琴亭の殺人」、左側からは横書きで「ノンシリアル・キラー」。そして真ん中に解決編。右から読むか、左から読むか。それぞれで事件が起こり、終盤に共通する部分に気づく。奇妙な重なり、どこがどう関連しているのか、分かりそうで分からない。タイトルも「ダブル・ミステリ」。両方に登場する人物に気づき、それぞれの謎と犯人を言い当てられるか?!文体は読みやすく、人物も書き分けられてる。なのに、2つの繋がりがハッキリと掴めない。その答えは、犯人と謎にありました。この趣向は面白い!2025/09/17
しゅー
7
★★★少し前に読んだ『ターングラス』のように前からも後ろからも読める本。同書は上下逆さまに2つの本をくっつけた体裁だが、本書の天地は前後で変わらず、背表紙から読むと横書きになっている。今回はその背表紙側から読んでみた。この趣向は、①2つの本が同じ事象を違う側面から描く②2つの本の物語がどこかで繋がっている、の2つくらいしかパターンを思いつかない。しかし、それだけでは仕掛けのある連作短編集と何が違うのかと言う話になる。そこで本書はもう一歩踏み込んで、ミステリの重大なお約束を崩すことにチャレンジしているのだ!2025/10/07
きゅうくつ
6
“正統派の謎解きを楽しみたい方は「月琴亭の殺人」から、難易度の高い謎解きを求める方は「ノンシリアル・キラー」からどうぞ”の帯の導きのもと、表側から読みました。楽しみました。2025/08/13
コチ吉
5
なかなか面白い趣向によるミステリで、トリックや謎解きもしっかりしているのだが、作中のある人物の描かれ方にやや違和感があって、そこが最後までスッキリしない要因となった。2025/10/07
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- 和書
- 明石海峡大橋物語




